「会社、辞めました」…衝撃的な知らせ
『会社、辞めました』
不穏な言葉から始まっていたメッセージの内容は、あまりに衝撃的でした。
『就職した会社がブラック企業だった。上司からの詰めに耐えられず、メンタルを病んで退職した。今は失業保険と貯金を切り崩して生きている。でも、国民年金や健康保険の支払いが重すぎる。特に奨学金は自分が望んで借りたものじゃない。せめてそれだけでも、親が返してほしい――』
当時、マイホームの住宅ローン返済などに追われていた和彦さんは、子どもの大学進学費用を全額用意することが難しく、貸与型の奨学金を借りることにしました。長男、次男ともに「月10万円」を借り入れ、そのお金は子どもの口座を経由したものの、実質的な管理は和彦さんが行い、学費や仕送り、教科書代に充てていたのです。
「大学に行くのは本人のため。だから返すのも本人の責任」。当たり前にそう考えていた和彦さんは、すぐに次男に電話をかけました。
「学費を全額用意できなかったのは悪かった。でもな、大学に行きたいと言ったのはお前だろう。『自分の意志で借りてない』なんて無責任じゃないか」
思わず声を荒らげる和彦さんに、受話器の向こうの次男は、こう言い返してきました。
「じゃあ、高卒で働けばよかったのか? 周りもみんな大学に行くし、奨学金の制度の仕組みも、将来どれだけ負担になるかも、高校生の自分にわかるわけがない。自己責任だって突き放すなんて、それこそ無責任じゃないか」
その言葉に、和彦さんは絶句しました。

