「退職したら、全国の名湯めぐりを」…〈貯蓄2,200万円・年金月23万円〉61歳夫婦のささやかな夢、潰える。きっかけは、25歳息子から届いた「まさかのLINE」

「退職したら、全国の名湯めぐりを」…〈貯蓄2,200万円・年金月23万円〉61歳夫婦のささやかな夢、潰える。きっかけは、25歳息子から届いた「まさかのLINE」

「住宅ローン」や「奨学金」など、人生の節目で大きな借金を背負うことは少なくありません。子どもたちの未来のために良かれと思って選択した奨学金。しかしそれが、定年を目前に控えた親のささやかな夢を打ち砕く引き金になるとしたら――。奨学金返済が親の老後に与える影響を見ていきましょう。

「会社、辞めました」…衝撃的な知らせ

『会社、辞めました』

 

不穏な言葉から始まっていたメッセージの内容は、あまりに衝撃的でした。

 

『就職した会社がブラック企業だった。上司からの詰めに耐えられず、メンタルを病んで退職した。今は失業保険と貯金を切り崩して生きている。でも、国民年金や健康保険の支払いが重すぎる。特に奨学金は自分が望んで借りたものじゃない。せめてそれだけでも、親が返してほしい――』

 

当時、マイホームの住宅ローン返済などに追われていた和彦さんは、子どもの大学進学費用を全額用意することが難しく、貸与型の奨学金を借りることにしました。長男、次男ともに「月10万円」を借り入れ、そのお金は子どもの口座を経由したものの、実質的な管理は和彦さんが行い、学費や仕送り、教科書代に充てていたのです。

 

「大学に行くのは本人のため。だから返すのも本人の責任」。当たり前にそう考えていた和彦さんは、すぐに次男に電話をかけました。

 

「学費を全額用意できなかったのは悪かった。でもな、大学に行きたいと言ったのはお前だろう。『自分の意志で借りてない』なんて無責任じゃないか」

 

思わず声を荒らげる和彦さんに、受話器の向こうの次男は、こう言い返してきました。

 

「じゃあ、高卒で働けばよかったのか?  周りもみんな大学に行くし、奨学金の制度の仕組みも、将来どれだけ負担になるかも、高校生の自分にわかるわけがない。自己責任だって突き放すなんて、それこそ無責任じゃないか」

 

その言葉に、和彦さんは絶句しました。

 

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