トランプ氏の「18億ドル基金」に全米騒然...税金で支持者を救済?司法と政治の境界線が問われる【国際税理士が解説】

トランプ氏の「18億ドル基金」に全米騒然...税金で支持者を救済?司法と政治の境界線が問われる【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

トランプ大統領がIRS(内国歳入庁)と財務省を相手取り、自身の納税情報漏洩を巡って提起していた100億ドルの損害賠償訴訟が、突然の和解によって幕を閉じようとしています。しかし、その和解条件として浮上した18億ドル規模の基金が、新たな政治・司法論争を引き起こしています。基金の対象には1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件の関係者も含まれるとされ、共和党・民主党の双方から「税金の無駄遣い」との批判が噴出しています。連邦裁判所は基金設立の凍結を命じる事態となり、法廷闘争へと発展しました。4月末に『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』を刊行した奥村眞吾税理士が解説します。

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トランプ氏の100億ドル訴訟が突然の和解へ

トランプ大統領は自身の過去の確定申告書が漏洩した問題を巡り、IRS(内国歳入庁)および財務省を相手に100億ドルの損害賠償訴訟を起こしていました。

 

この訴訟については、IRSや財務省を守るべき立場にある司法省が、トランプ大統領の強い影響下にあることから、「公正な裁判が行われるのか」という懸念が当初から指摘されていました。実際に担当裁判官も同様の疑問を示していましたが、先日、司法省は突然「和解が成立した」と発表しました。

 

ところが、その和解内容が新たな論争を呼んでいます。

18億ドル基金創設で広がる波紋

和解内容によると、トランプ氏は訴訟を取り下げる代わりに、「政治的な目的で司法制度が武器化されたことによって不利益を受けた人々」を救済するための基金を創設するとされています。

 

基金の規模は18億ドルに上ります。

 

米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、この基金に対しては共和党・民主党の双方から懸念や不快感が示されています。議員のなかには、「トランプ支持者を支援するための基金に過ぎず、税金の無駄遣いだ」と批判する声も出ています。

 

問題視されているのは、トランプ氏が起こした税務情報漏洩訴訟と、この基金による救済対象者との間に直接的な関係が見当たらないことです。

 

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