「政治的迫害の被害者」は誰が決めるのか
司法省によると、基金の対象者には以下のような人々が含まれるとされています。
・IRSから不適切な扱いを受けたとされる人
・バイデン政権時代の法律によって不利益を被ったと主張する人
・2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件に関係したトランプ支持者
対象者の認定は、司法長官が任命する5人の委員会によって行われる予定です。
司法長官は、「トランプ大統領本人やその家族が基金から直接支払いを受けることはない」と説明しています。しかし、誰を救済対象とするのかという基準が不透明であることから、公平性を疑問視する声も少なくありません。
また、この基金は、2001年の同時多発テロ後に設立された「9.11被害者補償基金」のように議会の承認を受けて創設された制度ではありません。その点も批判の対象となっています。
議事堂襲撃事件の関係者を救済する基金なのか
基金創設が発表されると、2021年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件当日に警備に当たっていた警察官2人が、直ちに基金設立の差し止めを求める訴訟を提起しました。
原告側は、この基金が実質的に議事堂襲撃事件に関与した人々を支援するための仕組みになっていると主張しています。
さらに、米国憲法修正第14条は、合衆国に対する反乱や暴動に関連して発生した債務を政府が負担することを禁じていると解釈できるとして、基金の違憲性を訴えています。
原告らは、「この基金は議事堂襲撃に関与した準軍事的組織を支援するための裏口的な資金供与だ」と批判しています。

