米国に相続税はないは本当か?州ごとに異なる「遺産税」と「相続税」の実態【国際税理士が解説】

米国に相続税はないは本当か?州ごとに異なる「遺産税」と「相続税」の実態【国際税理士が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

「アメリカには相続税がない」とよく言われます。しかし、実際には州によって独自の遺産税や相続税が設けられており、相続手続きにかかる費用まで含めると、決して負担がゼロとは言えません。日本とは大きく異なるアメリカの相続制度について、『トランプ劇場と超富裕層課税 増税か、減税か——税制が映し出すアメリカの真実』の著書がある奥村眞吾税理士が詳しく解説します。

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連邦遺産税は一部の富裕層のみが対象

米国の建国の父の一人であるベンジャミン・フランクリンは、「人生において、死と税金を除いて確かなものはない」という有名な言葉を残しています。しかし、その「税金」の一つである相続税については、日本とアメリカで大きな違いがあります。

 

米国の連邦税法では、2026年時点で1人あたり1,500万ドル、夫婦で3,000万ドル(約48億円)という非常に大きな基礎控除が設けられています。そのため、多くの人は連邦レベルの遺産税を支払う必要がありません。

 

なお、米国では日本と異なり、税金を負担するのは相続人ではなく、被相続人の遺産そのものです。そのため、日本の「相続税」ではなく、「遺産税(Estate Tax)」という仕組みになっています。

 

2023年度には約7,100件の遺産税申告書が提出されましたが、実際に課税対象となったのは約4,000件でした。2022年の死亡者数が約280万人であることを考えると、申告率は0.25%、課税対象となる割合はわずか0.14%にとどまっています。

 

しかし、「米国には相続税がない」という理解は正確ではありません。見落とされがちなのが州税の存在です。

 

 

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