(※写真はイメージです/PIXTA)

豪邸に住み、老後資金にも困らない。そんなふうに見える高齢者でも、実は家計に不安を抱えているケースは少なくありません。都内の高級住宅街で暮らす75歳の女性もその一人。夫が遺した5,000万円の金融資産は、わずか5年で半分以下に減っていました。なぜ、このような事態に陥ったのでしょうか。

豪邸に住む“リッチなマダム”に忍び寄る影

東京都内の高級住宅街に暮らす美智子さん(仮名・75歳)は、周囲から見れば何不自由ない、老後を送っているように映ります。立派な門構えの戸建てに住み、お洒落をしてホテルで友人と優雅なティータイムを満喫するマダム――。しかし、その影で、誰にも打ち明けられない不安がありました。

 

「本当はね、お金が持たなそうで……怖いんです」

 

美智子さんの夫は大手企業の役員でした。自宅は土地約80坪の戸建て。資産価値は1.5億円を超えると見られています。

 

ターニングポイントは、5年前に夫を亡くしたこと。厚生労働省「令和5年簡易生命表」によると、男性の平均寿命は81.09年、女性の平均寿命は87.14年。当時夫は76歳で、平均よりもずっと早いお別れでした。

 

美智子さんは生命保険金や預貯金などを相続しました。相続手続きや葬儀、墓所の準備などを終え、最終的に手元に残った金融資産は約5,000万円。

 

「家もあるし、お金の心配なんてしなくていいと思っていました」

夫が亡くなっても生活レベルはそのまま

ところが、現実は違いました。美智子さんは、それまでの生活スタイルをほとんど変えられなかったのです。

 

現在の定期収入は、自身の年金と遺族年金を合わせて月24万円ほど。一方で、支出はそれを大きく上回っていました。百貨店での買い物、美容院や被服費、4人いる孫へのお祝い。そして、50年来の友人たちとの付き合いです。

 

夫の転勤や子育てをともに乗り越えてきた大切な仲間たちとは、今でも月に数回集まります。ホテルランチやアフタヌーンティー、観劇などを楽しむのが恒例でした。

 

「みんな、ご主人がお医者さまだったり会社を経営していたりするの。私だけ急に付き合いをやめるわけにもいかなくて……」

 

長年築いてきた人間関係のなかで、自分だけ生活レベルを大きく変えることにも抵抗がありました。

 

 

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