(※写真はイメージです/PIXTA)

豪邸に住み、老後資金にも困らない。そんなふうに見える高齢者でも、実は家計に不安を抱えているケースは少なくありません。都内の高級住宅街で暮らす75歳の女性もその一人。夫が遺した5,000万円の金融資産は、わずか5年で半分以下に減っていました。なぜ、このような事態に陥ったのでしょうか。

豪邸暮らしでも苦しい「ハウスリッチ・キャッシュプア予備軍」

美智子さんのような状態は、資産価値の高い不動産を持ちながら手元の現金を減らしている、いわば「ハウスリッチ・キャッシュプア予備軍」と言えるかもしれません。

 

一見すると「手元にまだ2,200万円もあるなら、余裕じゃないか」と思われるかもしれません。しかし、現在の支出ペースが続けば、「キャッシュプア(現金困窮)」へ転落する可能性は否定できません。

 

老後資金を考える際に重要なのは、資産の大小ではなく「毎月の収支のバランス」です。どれだけ資産が潤沢でも、毎月の支出が収入を上回り、数百万単位の大きな支出に歯止めをかけられなければ、資金は驚くほど早く減っていきます。

プライドと、思い出の家がブレーキを狂わせる

ただでさえ、高齢になると医療費や介護費用、自宅の修繕費など、予測しづらい支出は増えていきます。それなのに、なぜ美智子さんは家を売る、あるいは生活を小さくするという決断ができないのでしょうか。

 

それは、単なるお金の管理不足ではないからです。自分にとっての“普通の暮らし”。アイデンティティでもある友人関係。そして、亡き夫との思い出が詰まった家。これらを失うことは、自分の人生そのものを否定するように感じられてしまうのです。

 

豪邸に住み、優雅に見える人でも「生活苦の危機」と無縁ではありません。老後の生活を守るためには、これまでのプライドを捨ててでも、住まいや人間関係を含めた「生き方そのもの」を変える覚悟が必要なのかもしれません。

 

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