豪邸暮らしでも苦しい「ハウスリッチ・キャッシュプア予備軍」
美智子さんのような状態は、資産価値の高い不動産を持ちながら手元の現金を減らしている、いわば「ハウスリッチ・キャッシュプア予備軍」と言えるかもしれません。
一見すると「手元にまだ2,200万円もあるなら、余裕じゃないか」と思われるかもしれません。しかし、現在の支出ペースが続けば、「キャッシュプア(現金困窮)」へ転落する可能性は否定できません。
老後資金を考える際に重要なのは、資産の大小ではなく「毎月の収支のバランス」です。どれだけ資産が潤沢でも、毎月の支出が収入を上回り、数百万単位の大きな支出に歯止めをかけられなければ、資金は驚くほど早く減っていきます。
プライドと、思い出の家がブレーキを狂わせる
ただでさえ、高齢になると医療費や介護費用、自宅の修繕費など、予測しづらい支出は増えていきます。それなのに、なぜ美智子さんは家を売る、あるいは生活を小さくするという決断ができないのでしょうか。
それは、単なるお金の管理不足ではないからです。自分にとっての“普通の暮らし”。アイデンティティでもある友人関係。そして、亡き夫との思い出が詰まった家。これらを失うことは、自分の人生そのものを否定するように感じられてしまうのです。
豪邸に住み、優雅に見える人でも「生活苦の危機」と無縁ではありません。老後の生活を守るためには、これまでのプライドを捨ててでも、住まいや人間関係を含めた「生き方そのもの」を変える覚悟が必要なのかもしれません。
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