(※写真はイメージです/PIXTA)

マンション価格が高騰するなか、不動産業界に新たな金融商品が登場し、話題を呼んでいる。住信SBIネット銀行が1日に発表した「ハイブリッド型の住宅ローン」だ。月々の返済を抑えられる代わりに、返済最終日に元本の50%を一括で支払うという、物件の売却を前提とした仕組みである。SNS上では自動車の残価クレジット(残クレ)になぞらえて「残クレ住宅ローン」と呼ぶ声も出てきた。これまでの常識を覆す新商品は家を買えない人たちの救世主となるのか、それとも債務膨張による破綻を招くのか――。

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新型住宅ローンで2億円のタワマンを購入し、35年後に売却

「ついに住宅ローンもここまで来たか〜!」

 

6月1日、住宅ローンの比較診断サービス「モゲチェック」を運営するMSFの塩澤崇取締役CMOがX(旧Twitter)に投稿した住信SBIネット銀行の新商品を伝えるニュースは、またたく間に拡散され、大きな話題を呼んだ。伝えたのは、住信SBIネット銀行が放った驚きの新商品である。

 

この新商品は、銀行からローンを借りて住宅を購入するという点では通常の住宅ローンと変わらないが、返済方法が異なる。担保評価額の50%に相当する元金は利息だけ支払えばよい「元金据え置き」とし、毎月の元金返済は残りの50%のみとする仕組みだ。

 

正確には「残クレ住宅ローン」ではなく「バルーン型」

通常の住宅ローンのように「元金をコツコツ返済していく部分」と、自動車購入でおなじみの残クレのように「元金の返済を最後に据え置いて利息だけを支払う部分」の二つを掛け合わせている。この返済方法の組み合わせから、「ハイブリッド型」のローンなのだ。これにより、月々の支払額を劇的に抑えることが可能になる。

 

自動車の残クレと似ていることから、「残クレ住宅ローン」として定着しつつある今回のハイブリッド型のローンだが、厳密には異なる。残クレでは車両価格の一部を将来の下取り想定額として据え置くことで返済額を抑える仕組みのため、一定の条件下で残価が保証される。つまり、車両さえ返却すればローンは消滅する。

 

一方、今回のハイブリッド型の住宅ローンでは担保となる住宅の残価を設定していない。債務者は元本を全額返済する必要がある。「バルーン型」と呼ばれるタイプのローンで、不動産投資などに用いられるものだ。

 

仮に、金利0.95%という条件で35年ローンを1億円借りた場合、通常の住宅ローンであれば月々の支払額は約28万円だ。しかし、このハイブリッド型ローンの場合は、0.35%の上乗せ金利があるものの、月々の支払いは約20万円。35年後に据え置いた5,000万円を支払う必要があるものの、月々約8万円の余裕が生まれる計算となる。

 

できるだけ多額のローンを組んで、月々の支払いを抑えたいという人々のニーズには、まさに合致している商品だといえよう。

 

都内で不動産仲介事業を営むA氏のもとには、すでに30代の顧客から「月々の支払いを抑えられるのであれば、予算を増やせるのでは」との問い合わせがあったという。

 

「これまで1億5,000万円の物件しか買えなかった世帯年収2,000万円程度の層が、2億円まで手が届くようになるかもしれない」とA氏は笑う。

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