(※写真はイメージです/PIXTA)

人生最高のイベントともいうべき「結婚」「出産」「住宅購入」。もちろん、幸せなことには違いありませんが、そのような「ライフプラン」にあわせて、資金計画をしっかり立てておくこともまた重要です。今回、都内在住のいわゆる「パワーカップル」、Mさん夫婦の事例をもとに、「FP事務所MIRAI」のCFP、山﨑裕佳子さんが詳しく解説します。

30代で結婚した高収入夫婦がペアローンでタワマンを購入

同級生夫婦のMさん。夫は自動車販売会社の営業職、妻は医療機器メーカーの事務職で、世帯年収1,600万円(夫900万円、妻700万円)というパワーカップルです。

 

二人の出会いは大学のテニスサークル。当時は友人としての付き合いで、お互いが大勢いる仲間のなかの一人という認識でした。

 

卒業してからは、仕事にプライベートにと多忙な日々を送るなか、しばらく疎遠となっていましたが、33歳の時に同窓会で再会し意気投合。タイミング的に結婚を意識する年齢だったこともあり、交際がスタートして2年後、35歳で結婚しました。

 

結婚を決めた理由は、仕事や生活全般に対する価値観が似ていたこと。結婚後も共働き、生活費は折半とし、それ以外の給料は自己管理という結婚生活です。

 

最初の住まいは、都内、家賃20万円の2LDKの賃貸マンションでした。金銭的にストレスのない順調な生活を送っていましたが、二人で話し合いの末、38歳の時に都内にマンションを購入することを決めます。

 

結婚当初からお財布が別々だったため、頭金はそれぞれが自分の預貯金を出し合う形としました。これまで二人とも、生活費以外は趣味の旅行や飲み代などに、自由に使ってきたため、蓋を開けてみると、頭金や諸費用として準備できる資金は多くありませんでした。

 

それでも何とか500万円を確保し、ペアローンを利用して20階建てのタワマンの15階を購入することにしたそうです。ペアローンは、二人がそれぞれローンを組むことになるため、一人の場合よりも多額の資金の借り入れが可能です。Mさん夫婦の返済プランは、次の通りです。

 

【Mさん夫婦の住宅ローン借入金額&返済プラン】

・物件価格:1億2,000万円

・頭金:500万円

・借入額:(夫)6,500万円、(妻)5,000万円

・借入金利:0.345%(変動型)

・返済期間:30年 

・月々返済額:(夫)約19万円、(妻)約14.6万円(ボーナス払いなし) 

 

子どもが生まれて生活が一変…住宅ローンが負担に

Mさん夫婦は当初、積極的に子どもを望んでいたわけではありませんでした。しかし、結婚生活も5年が経過した頃、二人の気持ちに変化が生じ、子どもを持つ決心をします。お金の面で多少の不安はあったものの、妻は産休・育休後に仕事復帰することを決めていたため、何とかなると考えていたそうです。

 

妻の育児休業中の収入は、雇用保険から支給される育児休業給付金のみとなります。育休開始から最初の6ヵ月間は賃金の67%、その後、一定の要件を満たした場合に、最長2歳まで賃金の50%が支給されます。

 

Mさんの場合、保育園に空きがなく、育休を延長しているうちに第2子を授かったため、職場復帰が遅れ、収入が激減してしまいました。収入が減っても、住宅ローンの返済は待ってくれません。妻は次第に、自分の住宅ローン返済に負担を感じるようになったといいます。

 

当時、お財布を別にしていた夫には、すぐに相談することができなかったそうです。最初の出産から3年後、第2子が1歳になったタイミングで、時短勤務で仕事復帰を果たします。

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