母のために高級老人ホームを選んだ息子
事の始まりは、82歳の母・礼子さんが自宅で転倒したことでした。礼子さんは夫亡き後、戸建てに一人暮らし。「万が一、発見が遅れていたら……」と危機感を覚えた長男の亮介さんは、老人ホームへの入居を提案しました。
息子の負担を考えると、同意せざるを得なかった礼子さん。問題は費用でしたが、実家の土地が高く売れることが判明。6,500万円の査定が出たのです。
亮介さんは、都内にある24時間看護スタッフ常駐の「介護付き有料老人ホーム」を選びました。
・入居一時金:3,500万円
・月額利用料:32万円(母の年金14万円+母の貯金1,000万円+売却益の残りで補填)
雑費を含めても、母の一生涯にわたって資金は持つ見込みでした。大切な母だからこそ安心の環境で過ごさせてあげたい。費用は高額ですが、亮介さんの想いを叶える環境だと思えました。
老人ホームの契約には入居一時金の払い込みが必要です。しかし、母自身のもつ貯金は1,000万円程度。そのため、実家を売却し、現金化して引き渡した後でなければ入居できませんでした。
実家を離れる日、礼子さんは寂しそうにポツリ。「もう、ここには戻れないのね」――。しかし、実家を売ったことが、2人を追い詰めることになります。
