(※写真はイメージです/PIXTA)

孫と過ごす時間は、多くの祖父母にとって大きな喜びです。誕生日、運動会、週末の来訪。家の中に子どもの声が戻ることは、老後の孤独を和らげるものにもなります。しかし、来訪が頻繁になると、食費や小遣い、送迎、体力面の負担が少しずつ積み重なることがあります。

「断ったら嫌われるかも」…祖父母が抱え込んだ遠慮

ある日、恵子さんは夫にぽつりと言いました。

 

「私たち、孫のために暮らしているみたいね」

 

その言葉に、和彦さんは黙り込みました。孤独ではありません。むしろ、家族には囲まれています。それでも苦しい。

 

その理由は、自分たちの生活のペースが失われていたからでした。

 

ついに恵子さんは、長男夫婦に伝えました。

 

「来てくれるのは嬉しい。でも、毎週預かるのは少ししんどくなってきたの」

 

長男夫婦は驚いていました。

 

「そんなに負担だったんだ。ごめん」

 

それからは、孫を預かる日を事前に決め、食事代や必要な費用も長男夫婦が負担する形に変えました。小遣いも、誕生日やお年玉など特別な時だけにしました。

 

恵子さんは言います。

 

「孫に会いたくないわけじゃないんです。無理をしない形にしたかっただけなんです」

 

老後に家族が近くにいることは、大きな支えになります。しかし、支え合いは一方だけが我慢して成り立つものではありません。

 

孫に囲まれる日々は、確かに幸せでした。けれど夫婦が気づいたのは、にぎやかな老後にも、体力とお金と心の余白が必要だという現実だったのです。

 

 

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