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アメリカのチップと賃金の扱いは州によって異なる
アメリカの連邦法では、チップを受け取る従業員に対して、雇用主は時給2.13ドル(約330円)で雇うことが認められています。ただし、連邦最低賃金は時給7.25ドル(約1,100円)と定められているため、チップと賃金の合計が7.25ドルを下回る場合、その差額を雇用主が補填する義務があります。
ただし、アメリカでは州によって賃金とチップの扱いが大きく異なります。
テキサス、ジョージア、ノースカロライナ、テネシー州など南部の多くの州では、上記の連邦法に沿った運用が一般的です。
これに対し、カリフォルニア、ワシントン、オレゴン、アラスカ、ネバダ、ミネソタ、モンタナ州では、チップの有無にかかわらず州が定める最低賃金を支払う必要があり、時給は10ドル(約1,500円)以上となります。また、そのほかの州は、この両者の中間にあたる中庸的な制度を採用しています。
OBBBAでチップ非課税化も、「海外観光客」対応に課題
トランプ政権が昨年7月に成立させた「One Big Beautiful Bill Act(OBBBA)」では、スタッフは年間2万5,000ドル(約380万円)までのチップ収入を非課税扱いにできる、すなわち確定申告で所得控除として申請できる仕組みが盛り込まれています。
一方で、ワールドカップを控え、チップ慣れしていない海外からの観光客にどう対応するかという課題もあります。そのため、一部のレストラン協会では「いっそ一律20%のサービス料を加算してはどうか」という意見も出ているようです。
ところが、OBBBAでは所得控除の条件として、「チップはあくまで客が自発的に支払うものであること」と定義しています。店側が強制的に課すサービス料はチップとは認められず、所得控除の対象外となり、給与所得として課税される扱いになります。
アメリカのチップ文化に慣れている人ならまだしも、料理がまずくても、サービスが悪くても20%のチップを支払い、さらに税金10%が加われば、合計で代金の30%増しになります。つまり、1,000円のランチでも1,300円を支払うことになり、チップ習慣のない国から来た人にとっては理解しがたい仕組みでしょう。
筆者自身も最近、ファーストフードやスターバックスでもチップを求められ、憤りを感じています。こうしたチップ文化に慣れていない人には理解しづらい制度があるということを、ワールドカップで日本から応援に行く方々には、ぜひ心してほしいと願うばかりです。
奥村 眞吾
税理士法人奥村会計事務所
代表
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