行政指定の「セットバック」で評価の“対象外”に…相続税が減額できる宅地を知ろう【税理士が相続財産の「宅地」評価を徹底解説】

行政指定の「セットバック」で評価の“対象外”に…相続税が減額できる宅地を知ろう【税理士が相続財産の「宅地」評価を徹底解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

故人から不動産を相続した場合、相続税評価上は家屋と土地を別々の財産として評価します。なかでも「土地」はルールが多く、内容も複雑です。そこで本記事では、土地のうち「宅地」に焦点を当て、相続税における宅地評価の考え方と、実務上の注意点を税理士が解説します。

相続税の「宅地評価」で用いられる2つの方式

吉田課長「では、具体的な評価の仕方を教えてください」

 

相続税の土地評価には、路線価方式倍率方式(財産評価通達21)の2つがあります(下記2)。どちらの方式で評価するかは、国税庁が地域ごとに定めています。国税庁が公表している「路線価図」および「評価倍率表」で確認できます。

 

2.評価方法

次のいずれかの方法による。

 

(1) 路線価方式(財産評価通達13)

その宅地の面する路線に付された路線価を基とし、財産評価通達15(奥行価格補正)から20−7(容積率の異なる2以上の地域にわたる宅地の評価)までの定めにより計算した金額によって評価する方式をいう。

 

(2) 倍率方式(財産評価通達21)

固定資産税評価額に、国税局⻑が⼀定の地域ごとにその地域の実情に即するように定
める倍率を乗じて計算した金額によって評価する方式をいう。

 

(注) 財産評価通達の内容は、付表を含めて(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kiho
n/sisan/hyoka_new/01.htm)で確認することができる。(1)の路線価と(2)の倍率は、国税庁のホームページにある路線価図・評価倍率表(https://www.rosenka.nta.go.jp/)で確認できる。

 

“標準的な形状”を前提に算定される「路線価方式」

まず路線価方式から考えていきましょう。都市部では、たとえば駅に近い土地と100メートル離れた土地、商店街に面した土地とそこから50メートル離れた住宅地とでは、地価に大きな差が生じることがあります。極端なケースだと、わずか10メートル違うだけでも地価が異なります。

 

このように都市部では、地価の変動をより細かく敏感に捉える必要があります。その点を踏まえて考案されたのが「路線価方式」です。

 

路線価方式では、評価する宅地が面している道路に付された1平方メートルあたりの路線価(または調整項目(財産評価通達15~20-7)がある場合は調整後の路線価)に、地積を掛けて価額を求めます(前掲2(1))。

 

吉田課長「路線価ってなんですか?」

 

路線価とは、国税庁が道路ごとに定めて公表している価額のことです(下記3)。これも路線価図・評価倍率表で確認できます。

 

3.路線価(財産評価通達14)

路線価は、宅地の価額がおおむね同一と認められる一連の宅地が面している路線(不特定多数の者の通行の用に供されている道路をいう)ごとに設定した1平方メートル当たりの価額をいう。

 

路線価の評定に当たっては、宅地は標準的な間⼝距離と奥⾏距離を有する⻑⽅形⼜は正方形であることを前提とした価額とする(同通達(4))。

 

上記のように、路線価は「標準的な形状の宅地」を前提とした価額です。

 

吉田課長「なるほど。長方形や正方形……。でも実際の土地って、そんなきれいな形ばかりじゃないですよね?」

 

そのとおりです。実際には、整った形状の宅地ばかりではありません。同じ地積でも、道路に対して形がゆがんでいる宅地(不整形地)もあります。こうした不整形地は利用効率が悪いため、標準価額から一定の減額を行ったうえで評価額を算定します。

 

 

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