築古マンションで居住者が死亡し、親族から「相続放棄」されるケースが急増しています。ある築50年超のマンションでは、管理費を3年滞納していた住人が死亡。弁護士費用23万円をかけて親族5人を見つけ出すも、全員に相続放棄され、マンション側が多額の負債を被る絶望的な事態に陥りました。しかしその後、ある手続きを経たことで、滞納金から弁護士費用、さらには遅延損害金まで「全額回収」することに成功します。“相続放棄時代”のマンションリスクと執念の回収ルートについて、マンション管理士の松本洋氏が解説します。
築古マンションに到来した「相続放棄時代」
築古マンションにおいて、居住者の死亡と親族の相続放棄、そして管理費滞納がセットで発生するケースは、珍しいものではありません。
築古マンションは、もはや「相続放棄の時代」に突入しているといっても過言ではないでしょう。
滞納管理費は、原則として相続財産からしか回収することができません。だからこそ、管理組合には「誰かが何とかしてくれる」という“待ち”の姿勢ではなく、自ら“動く”姿勢が強く求められます。
事態を放置すれば滞納額が膨らむだけでなく、建物の適切な修繕計画にも多大な悪影響を及ぼします。早期に情報収集を行い、適切な法的手続きと専門家との連携を進めることこそが、管理組合の財務健全性とマンションの資産価値を守る最も確実な手段なのです。
松本 洋
松本マンション管理士事務所代表
松本マンション管理士事務所 代表
東京都マンション管理士会城東支部 事務局長
マンション管理士
1954年、東京都目黒区生まれ。
不動産会社、商社系マンション管理会社に勤務。
2005年、マンション管理士事務所を開業。
管理業務主任者、宅地建物取引士、測量士補などの資格を所持。著書に『買ったときより高く売れるマンション』(アーク出版)などがある。
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