「富裕層」と「超富裕層」の違い
金融業界では、富裕層は大きく2つに分類されます。ひとつは、親から不動産や金融資産を相続した、総資産10億円クラスの「一般的な富裕層」。そしてもうひとつが、ケタ違いの資産を持つ「超富裕層」です。
総資産200億円以上のキャッシュを保有する超富裕層のほとんどは、現役の企業経営者か、あるいは創業した事業をM&A(合併・買収)で売却し、巨額の財産を手にリタイアした元経営者です。金融機関において彼らは「ハイエンド・ウルトラハイネットワース」と呼ばれ、もっとも重要な顧客層として位置づけられています。
超富裕層の生活拠点は意外にも「日本国内」
超富裕層といえば、節税のためにシンガポールやドバイへ移住するイメージが強いかもしれません。しかし、実際には日本国内に拠点を置いている人が意外に多いようです。
その最大の理由は、「家族」です。海外に完全移住してしまうと、日本にいる孫に会う機会が減ってしまいます。
また、たとえば相続税がゼロの国へ10年間移住すれば資産保全上はメリットがありますが、子どもや孫の教育環境を考えると、長期間の海外生活は現実的ではないと判断する人が多いようです。その代わり、教育熱心な彼らの多くは、子どもや孫をアメリカの一流大学へ留学させています。
では、超富裕層の海外との接点はどこにあるのというと、「別荘」です。特に人気が高いのはハワイですが、にぎやかなワイキキ(オアフ島)よりも、マウイ島などの離島が好まれる傾向にあります。
たとえば、高級リゾート地として知られるワイレア地区では、ビーチに近い中古の別荘を一棟購入するのに10億円ほどかかりますが、静かな環境で過ごすために、超富裕層はこうした物件を好んで購入するのです。
現地での生活費決済のためにハワイの銀行口座を持つことはあるものの、生活の拠点そのものは日本にあることが多いです。

