(※画像はイメージです/PIXTA)

似たような商品が並んでいれば、つい「No.1」と書かれたものを選びたくなる――そんな心理はごく自然なものです。しかし、その「No.1」には本当に根拠があるのでしょうか。2026年3月12日、「イモトのWiFi」を展開するエクスコムグローバル社に対し、約1億7,000万円の課徴金納付命令が出されました。本件をもとに、弁護士の森大輔氏が、ナンバーワン表示の問題点や注意すべきポイントについて解説します。

課徴金納付命令に対して争う姿勢――その理由

一部報道によれば、「調査をしたリサーチ会社には適法性を問い合わせるなど注意を払ってきた」と消費者庁の課徴金納付命令を争う姿勢を見せているとのこと。

 

通常、「No.1」表記をする場合、どのような名目で「No.1」と表記するかを決め、その表示の根拠資料となる調査をアンケート調査会社に依頼して、「No.1」の表記をすることが一般的であると思われます。そして、エクスコムグローバル社も同様にアンケート調査会社に依頼をしたとされています。

 

では、このように争う姿勢をエクスコムグローバル社が見せる根拠はどこにあるのでしょうか? 実は、景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)第8条1項の課徴金納付命令の規定には、違反であることを知らないことにつき相当の注意を払っていれば処分されない旨の規定があります。

 

そのため、エクスコムグローバル社は、調査したアンケート調査会社に適法性を確認したことをもって「相当の注意を払っていた」ということを主張したいのではないかと推測されます。

 

しかしながら、これまで多くの「No.1」表記が優良誤認として判断されてきた背景にはアンケート調査会社の調査方法に問題があったからと言われており、現在では、そのことが報道などを通じてかなり周知されているように思います。

 

典型的には、実際の利用経験がない消費者も含め、「どの商品が最も良いと思うか」という印象ベースの調査が行われていたケースです。しかし消費者は通常、「実際に利用した上で比較した結果」と受け取ります。このような乖離がある以上、調査方法としては不適切と評価されざるを得ません。

 

さらに現実問題として、複数のサービスを実際に利用させて比較させる調査は、時間・コストの面で極めて負担が大きく、簡易的な調査に流れやすい事情もあったのでしょう。

 

こうした状況を踏まえると、アンケート調査会社が調査対象について虚偽の報告をしていたなど、かなり限定的でない限り、エクスコムグローバル社が「相当の注意を払った」と認定されることは難しいのではないでしょうか。

 

単に適法かどうかだけを確認していただけでは、その責任を免れることは難しいと考えられます。

次ページ今後の注意事項

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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