(※画像はイメージです/PIXTA)

「従業員に労働基準監督署(労基署)に通報されてしまった」――そんな場合、企業はどのような対応をするべきなのでしょうか。本記事では、労基署に通報された企業が取るべき対応や、立ち入り調査の流れ、そして従業員側に対するアドバイスなどを、弁護士の森大輔氏が詳しく解説します。

労基署から連絡が来てしまったら…

従業員から「労基に通報しますから!」と言われ、まさかと思っていたら本当に労基署から連絡が来てしまった――そんな企業は少なくありません。

 

あるいは、「いきなり労基署から連絡が来て驚いた」という例も。実際、労働基準監督署(労基署)への通報は、特別なブラック企業だけに起きるものではありません。

 

日々の業務に追われるなかで、「これくらいは大丈夫だろう」「昔からこうやってきた」と曖昧な運用を続けているうちに、従業員の不満が積み重なり、ある日突然、通報という形で表面化することも少なくないのです。

 

では、従業員はどのような場面で「労基署に通報しよう」と考えるのでしょうか。 実際に通報につながりやすいのは、次のようなケースです。

労基署に通報される、よくあるケースとは

従業員が会社への不満をつのらせて労基署に通報することが多いケースとしては、以下のような違反行為があります。

 

①賃金(残業代)の未払い
②違法な長時間残業
③休憩を取らせてもらえない
④休日を適切に与えられない
⑤年次有給休暇を取得させてもらえない

労基署に通報された場合の、その後の流れ

労基署に通報された場合、以下の流れで調査や処分の手続きが進行します。

 

①立ち入り調査(臨検)

通報を受けて、労働基準監督官が事業場に対して行う立ち入り調査(臨検)が行われます。臨検は、必ず事前予告がなされるわけではなく、予告なしで行われる場合もあります。実務上は、悪質な事案や緊急性の高い事案などを除き、事前予告のあることが多いです。事前予告を受けた場合、労働者や労働環境に関する資料を用意する必要があります。

 

②帳簿や書類の提出が求められる

臨検当日は、労働基準監督官が事業場を訪れて、事業場の管理者や担当者に対して帳簿や書類の提出を求めたり、尋問を行ったりして、法令違反がないか調査します。

 

③指導票の交付or是正勧告

法令違反とまでは言えないものの改善が望ましい事実が見つかった場合は、事業場に対して指導票が交付されます。労働基準法などに明確に違反する事実が見つかった場合には、事業場に対して是正勧告が行われます。

 

④是正・改善して報告

指導票の交付または是正勧告で指摘された事項については、労働基準監督官が指定する期間内に改善して、是正・改善報告書を提出します。

 

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※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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