「教授が怖くて声を上げられません」…単位を与えない、研究成果を横取り、就職や進学を妨害。大学で起こるアカハラ(アカデミックハラスメント)の対処法【弁護士が解説】

「教授が怖くて声を上げられません」…単位を与えない、研究成果を横取り、就職や進学を妨害。大学で起こるアカハラ(アカデミックハラスメント)の対処法【弁護士が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

大学などの学術・教育機関で問題となるハラスメント一般をアカデミック・ハラスメント、通称「アカハラ」といいます。パワハラなどと同様、アカハラが発覚した際に学校に及ぶ悪影響は図り知れません。本稿では、弁護士である森大輔氏が、アカハラ問題における法的責任やとるべき対策法について解説します。

アカデミックハラスメント・通称「アカハラ」とは

アカハラとは、アカデミック・ハラスメントの略称です。大学などの学術・教育機関で問題となるハラスメント全般を指します。

 

アカハラはパワハラやセクハラと異なり、法律で定義が決められているわけではありません。しかし、たとえば東京大学のアカデミック・ハラスメント防止宣言では、次のように定義されています。

 

「大学の構成員が、教育・研究上の権力を濫用し、他の構成員に対して不適切で不当な言動を行うことにより、その者に、修学・教育・研究ないし職務遂行上の不利益を与え、あるいはその修学・教育・研究ないし職務遂行に差し支えるような精神的・身体的損害を与えることを内容とする人格権侵害」

 

東京大学|東京大学アカデミックハラスメント防止宣言

 

他にもさまざまな表現がありますが、平たくいうと、大学や研究機関などの教育・研究の場で、教員や指導的立場の人が、学生・院生・研究者に対して行うハラスメント全般のこと。学内や研究所内での優越的な地位や権力を利用して嫌がらせをする行為をすれば、それがアカハラに該当すると理解する必要があります。

アカハラが起こりやすい理由

アカハラが問題となりやすい理由は、教育機関や研究機関における独特な人間関係にあります。教育や研究の場では、指導する側と指導される側という明確な身分の差があることが特徴です。一般の会社における上司と部下以上に、力の格差が大きいといえます。学内では閉鎖的な人間関係が形成されるため、ハラスメント行為の存在を周囲の人が認識しづらいこともアカハラの原因の一つです。

 

このように、教育機関や研究機関の人間関係は、ハラスメントを発生させやすい環境といえます。

 

■アカハラの具体例

どのような行為がアカハラに該当するのかを断定することは、他のハラスメントと同じく認定が難しいです。しかし、主な具体例としては以下のような行為がアカハラに該当する可能性があります。

 

・研究テーマを与えない
・正当な理由なく単位を与えない
・学生の業績を自分の業績にする
・就職や進学を妨害・強要する
・論文の指導を拒否する
・研究費を負担させる

 

学内での不当な権力行使により精神的・身体的苦痛を受けた場合は、アカハラと認定される可能性が高いことを理解しておきましょう。

 

次ページアカハラの対策方法

※本連載は、森大輔法律事務所が提供するコラムを一部抜粋・再編集したものです。

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