「数字を見た瞬間はショックだった。でも…」
年収が平均より高くても、家計が必ずしも潤沢になるわけではありません。支出は住宅、教育、親の支援、突発的な修繕費などで膨らみます。「収入がある=自然に貯まる」わけではありません。
弘志さん夫妻の問題は、支出の多さそのものよりも、「家計の情報が共有されていなかったこと」でした。小遣い制の家庭では、管理する側は“家計を回す責任”を背負い込みやすく、管理される側は“状況を知らないまま不満だけが積み上がる”構図になりがちです。
その夜、弘志さんは怒りよりも不安が勝ったといいます。
「このままだと老後が見えない」
夫妻は翌週、家計の全体像を整理することにしました。口座は一覧化し、引き落としの固定費を洗い出し、借入れがあれば条件を確認する。退職後に必要な生活費をざっくり試算し、足りない分は「いつまで働くか」「どこを削るか」を二人で決める——。
家計の真相は、決して気持ちのいいものではありませんでした。それでも弘志さんはこう言います。
「数字を見た瞬間はショックだった。でも、やっと同じ地図を見られた気がした」
収入の多寡ではなく、家計の透明性が老後の安心をつくる。弘志さんが直面したのは、まさにその現実でした。
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