スポーツ強豪校にも中国人留学生が続々と
第95回選抜高校野球大会優勝、第99回全国サッカー選手権大会優勝――。
JR東京駅から中央線に乗って約2時間。甲府駅で乗り換え、中央本線で1駅。JR酒折駅から10分ほどの距離を歩くと、スポーツの強豪校として知られる私立・山梨学院高校が見えてくる。
正門に近づくと、「祝 甲子園優勝おめでとう」「祝 花園出場 ラグビーフットボール部」などと書かれた複数の大きな垂れ幕が来訪者の目を引く。
地方にありながら、生徒数約1200人(2024年5月1日現在)に上るマンモス校。スポーツ強豪校として山梨県外からの入学者も多く、生徒数は15年前に比べ、3割強も増えた。少子化、地方というハンディをものともしない、まさに経営的にも実力校だと言っていい。
そんな同校も最近、中国人留学生の受け入れを本格的に始め、積極的になっているという。なぜなのか。「系列の山梨学院大学が、中国との交流を深めていることがあり、当校の留学生にも中国の生徒を対象に加えました」と、同校の吉田正校長は説明する。
2016年度に初めて4人の中国人留学生を受け入れたのをスタートに、その後も毎年数人程度を受け入れてきた。本格化したのは2021年頃から。学校側は、バイリンガルの中国人スタッフを雇い、年間20人の中国人留学生の受け入れを目指し、体制を整えた。
さらに中国人スタッフが中国現地の学校を回って宣伝し、吉田校長自身も2019年、中国を自ら訪問して学校をPRした。学費は年間約100万円。これとは別に寮費もかかるが、今では中国人留学生を年間30人以上受け入れるまでになっている。
留学生がいることの日本人生徒にとってのメリットと懸念
どんな生徒が入学してくるのか。
「日本の大学に進学し、そのまま日本で就職することを目指す学生です」。吉田校長はそう言い切った。授業は日本人生徒と一緒に受けているという。
スポーツ強豪校の同校には、ケニア、フィジー、トンガ、ニュージーランド、ウガンダなどからの「スポーツ留学生」がもともと多かった。だが今ではスポーツとは全く無関係の中国人留学生が人数では最多となった。将来的に中国人留学生をどこまで増やそうとしているのか。
「学校に留学生がいるのは日本人生徒にとっても良い環境です。今、学校で学ぶ日本の高校生が40代になる頃には、勤務先の会社には、より多くの外国人がいる環境が当たり前になるでしょう。高校生のうちから、外国人と日常的に接しておくのは非常に良い経験になると思います」
吉田校長はそう話した。
ただ一方で「今後、中国人の志願者がさらに増えれば、受け入れ人数を増やすことも視野に入れますが、うちは日本の学校ですから……。その辺の伝統は大事にしていきたいと考えています」と、慎重に語った。
日本経済新聞取材班
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