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日本語が全く通じない…千葉県美浜区「ガチ中華」の実態
東京都心から、川口市と同心円上に位置する千葉市美浜区――。JR京葉線・稲毛海岸駅を降りると、東京湾に面した埋立地には大規模な団地が立ち並び、整然とした街並みが広がる。
そこから徒歩で15分ほど。「マイショップ高洲」と書かれた古い看板がかかる小さな商店街にたどり着く。いわゆるアーケード街だが、立派なものではない。昼間でもやや薄暗い場所だ。
このすぐ近くに、地元の中国人に人気の「ガチ中華」の総菜店があると聞いて、のぞいてみた。
店のすぐ前には数台の車が路上駐車で並び、ハザードランプを点滅させている。しばらく様子をうかがうと、総菜店から次々と中国人らしき人が出てきては車に乗り込み、走り去って行く。テイクアウトの客だろう。そう思い、記者も試しに店内に入ってみることにした。
豚足、豚の頭…飛ぶように売れる「ふるさとの味」
中国の店にはよくある、重い透明ビニールののれんをかき分け、店内に足を踏み入れると、いきなり「你好[ニーハオ]!」と、威勢の良い中国語が耳に飛び込んできた。
突然の訪問を詫びながら、取材を申し込むべく、レジにいた女性店員に話しかけてみた。だが、日本語が全然通じない。奥で作業する店主とみられる男性にも声を掛けたが、全く日本語は分からないようだ。
意思疎通がうまくできずに、記者と店員が困惑している間にも、客はひっきりなしにやって来る。なるほど、人気店なのは確かなようだ。豚の頭など、日本の店ではなかなか目にしない総菜が数多く並び、それが飛ぶように売れていく。周辺に住む在留中国人の胃袋をみたしている店なのだろう。
まさか、ここまで日本語が通用しないのかと困惑していた記者が、スマートフォンの翻訳アプリを使って何とか取材を申し込むと、女性店員は拍子抜けするほど簡単に快諾してくれた。
「うちの客の8割は中国人ですよ」 。店員の女性は何も驚くことはないといった素振りで、仕事をしながら、こちらの質問に答え続けた。中国東北部・黒竜江省出身で、ここに住んでもう7年になるという。だが、いまだに日本語は一切分からない。おそらくここでは全く、日本語が必要ないのだろう。そう直感した。
中国人客にも話を聞いてみた。なぜ、この店に中国人客がたくさん集まって来るのか。
「ふるさとを思い出す味なんだ」
会社員の20代男性はそう言って、片言の日本語で質問に答えてくれた。男性も女性店員と同じく、黒竜江省のハルビン市出身。この日は、晩ご飯のおかず用に豚足と豚の頭、それに牛肉と野菜の炒め物を買ったのだという。これで数百円程度。
上下ジャージー姿で、サンダルで買い出しに来たその男性。記者との会話を終えると、嬉しそうに総菜が入ったレジ袋を抱え、足早に家に帰っていった。

