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わずか1%の違いで評価額が大きく変動…評価通達の“抜け穴”
原則的評価方式と配当還元方式のいずれを適用するかは、「議決権割合」によって決まります。つまり、議決権割合がわずか1%異なるだけで、評価額が大きく変わる可能性があります。
今回紹介したケースでも、無議決権株式を240株ではなく210株にした場合、Cさんの議決権割合は16.2%[(500株-210株)÷(2,000株-210株)]となり、妻・長女・次女の1人あたりの議決権割合は5.4%(97株÷1,790株)となります。
この状態でCさんが3人に贈与した場合には、特例スキームが適用されず、「原則的評価方式」で評価されます。
このように、議決権割合が1%違うだけで税負担が大きく変わる点を踏まえると、評価通達そのものに問題があるといえるでしょう。
なお、評価通達には、通達の定めで判断しづらい場合のルールとして「総則6」があります。課税庁が、このスキームを総則6を適用して否認するかどうかはわかりません。
しかし、特例スキームはあくまで通達評価のルールに則ったものであり、問題はそもそも、評価通達そのものが不合理な評価方法を定めていることに起因しています。そのため、課税庁が総則6を用いて否認する必要性は必ずしも高くないと考えられます。
今回のケースでも、Cさんは甲社の経営にタッチしていないのですから、むしろ「特例的評価方式」を適用するほうが、本来の株式評価の趣旨からみても合理的といえそうです。その意味では、評価通達の「欠缺(けんけつ)」が明らかであり、当該通達の早急な改正が必要でしょう。
また、相続税法64条(同族会社の行為または計算の否認)の適用についても検討が必要です。しかし、この場合、法人(甲社)が行ったのは普通株式を無議決権株式に変更する行為のみであり、それ自体は不自然な行為とはいえません。
また、Cさんが妻・長女・次女に甲社株式(普通株式・無議決権株式)を贈与する行為は、あくまで家族内の取引であって、法人との取引ではありません。
こうした事情を踏まえると、このスキームに相続税法64条を適用することは、やや困難であると考えられます。
八ツ尾 順一
大阪学院大学 教授
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