“目立たない生活”を選び続けている3億円の資産家

駅から徒歩15分ほどの住宅街に、市川さん(仮名・75歳独身)は一人で暮らしています。 住まいは築40年を超える木造2階建て。ボロボロとまではいきませんが、立派ともいえない一般的な住宅で、お世辞にも資産家の邸宅には見えません。

市川さんはいつも似たような地味な色合いの服を身につけ、持ち物や風貌は全体的に質素な印象です。外食はほとんどせず、買い物は近所のスーパーで済ませます。図書館や公園、家でひとり静かに過ごすことが多い暮らしぶりで、旅行に出かける様子などもありません。

町内会の集まりや地域イベントにも、めったに顔を出しません。ご近所付き合いも最低限で、必要以上に自分のことを語らないため、周囲からは「静かで控えめな独居老人」といった印象を持たれているようです。

「年金暮らしで、あまり余裕がないんでしょうね」

近所の人たちは、そう口にしています。しかしその穏やかな日常の裏で、実は市川さんは資産3億円を保有している資産家なのです。この事実を知るのは、親族と、資産管理に関わるごく限られた専門家だけです。

「もっといい暮らしをしないのか、とよく聞かれます。もともと華美な暮らしが好きなわけではないのもありますが、目立たないようにしているのもあるんです」

市川さんはそう言って、少し照れたように笑います。なぜ市川さんは、資産があるにも関わらず、これほどまでに“目立たない生活”を選び続けているのでしょうか。