(※写真はイメージです/PIXTA)

非上場株式の相続や贈与では、どの評価方法が適用されるかによって、負担する税額が大きく変わります。この点、「財産評価基本通達(評価通達)」では、株主の立場に応じて「原則的評価方式」と「特例的評価方式(配当還元方式)」が使い分けられていますが、その判断は議決権割合という形式的な基準に委ねられています。近年この仕組みを利用し、原則的評価方式を回避するスキームが実務の現場で広がりつつあります。このスキームの中身と効果、また評価通達の問題点について、2025年12月に『富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】』を刊行した八ツ尾順一氏がわかりやすく解説します。

ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中! 

データで読み解く「日本経済」のリアル【エンタメ・スポーツ・事件編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

データで読み解く「日本経済」のリアル【季節&気象・マインド・おもしろジンクス編】
宅森昭吉(著)+ゴールドオンライン(編集)

富裕層の資産承継と相続税 富裕層の相続戦略シリーズ【国内編】
八ツ尾順一(著)+ゴールドオンライン(編集)

 

シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!

特例スキームを使いたい…家族を「同族株主」にしたCさん

ここからは、具体的な事例をもとに、特例スキームの仕組みについてみていきましょう。基本情報は下記のとおりです。

 

[図表1]Aさん、Bさん、Cさんそれぞれの持株割合

 

非上場である甲社は、Aさん・Bさん・Cさんの3兄弟が上記の割合で株式を保有する同族会社です。なにも対策を講じなければ、Cさんが保有する甲社株式500株は「原則的評価方式」で評価されることになります。

 

Cさんは、原則的評価方式で株が高く評価されることを避けるため、「特例的評価方式」を活用しようと考えました。

 

しかし、Cさんは前掲の3つの条件のうち、「1.その株主(同族株主)の株式取得後の議決権割合が5%未満であること」を満たしていません(25%)。また、Cさんは甲社の経営に関与しておらず、このままでは特例的評価方式を使えないと思ったCさんは、家族を「スキームの条件を満たす同族株主」にしようと思いつきました。

 

Cさんは、妻・長女・次女に贈与することを前提に、まず保有する普通株式500株のうち240株を無議決権株式へ変更し、その無議決権株式(240株)を3人へ一括贈与しました。

 

[図表2]妻・長女・次女への株式一括贈与の株数内訳(普通株式・無議決権株式)


 
なお、普通株式を無議決権株式に変更するには、下記の書類が必要となります。

 

1.定款変更決議を行った株式総会議事録

2.種類株式へ変更する株式を保有する株主との合意書

3.他の株主全員の同意書

 

240株を無議決権株式に変更すると、Cさんの議決権割合は下記のとおりです。

 

(500株-240株)÷(2,000 株-240株)=14.77%

 

さらに、この240株を妻・長女・次女の3人に均等に贈与すると、1人あたりの議決権割合は5%未満(4.941760%)となります。また、もちろん妻・長女・次女は、甲社の役員ではありません。したがって、特例的評価方式で評価することが可能になります。

 

評価通達が定める要件を“形式的に”満たすために、実務上はこのように無議決権株式を用いることで、まるでマジックのように「特例的評価方式」を適用できる場合があります。

 

次ページわずか1%で税負担が変わる…「評価通達」の問題点
カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 石福金属工業のお知らせ 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録