株式相場が史上最高値付近で推移し、主要株価指数における銘柄集中度が過去最高水準に達するなか、投資家は、リスク資産の高バリュエーション、株式と債券の高相関、およびテールリスクの増大といった環境に直面しており、「オルタナティブ投資」の重要性が高まっています。本記事では、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが、インカム・分散投資・成長性の3つの観点から、2026年の「オルタナティブ投資」展望について解説します。
オルタナティブ投資は「守り」だけでなく「攻め」にも強い
オルタナティブ投資は、キャッシュフローやリスク管理の手段にとどまらず、従来型の成長要因が弱まり、競争に過熱感がある環境では、成長機会を捉えるうえで中心的な役割を果たします。
特に強力な成長テーマである「デジタルインフラ」
インフラはAI関連の設備投資拡大の恩恵を最も受ける分野ですが、厳選されたプライベート・エクイティやプライベート・クレジット投資も、そうした潮流の恩恵を受けられる可能性があります。デジタルインフラは強力な成長テーマであり、AI導入の加速とクラウドの拡大が、データセンター開発に大きなビジネス機会をもたらしています。
ただし、注目度が高く、過熱リスクもある急成長セクターであることを踏まえると、投資に際しては規律を維持することが重要です。インフラ投資は安定した収益源であるだけでなく、経済の近代化が進展するなかで、長期的な資本価値の上昇を促す役割も果たします。
2026年は「未公開株」への投資も引き続き有力な選択肢
プライベート・エクイティは2026年においても成長機会へのアクセス手段として有力な選択肢の一つです。2025年10月中旬までのIPO案件は2024年と比べて64.5%増加し、運用会社が投資家へより多くの資本を還元する動きを後押ししました。こうした動きには、Databricks、Klarna、Sheinといった著名企業の案件も含まれます。
プライベート・エクイティのセカンダリー市場の拡大は流動性の制約を緩和し、投資家が既存のプライベート・エクイティ・ファンドの持分をライフサイクルの後期段階で取得する手段を提供しています。
このアプローチは、Jカーブ効果の緩和や「ブラインドプール」リスクの低減に加え、割安な価格での取得というメリットをもたらすことでしょう。
ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、約半世紀にわたり、機関投資家、金融プロフェッショナル、そして個人投資家に、より良い成果をもたらしてきた。
インデックス運用やETF(上場投資信託)分野における早期からの取り組みを含め、同社の投資手法は、市場に裏付けられた運用ノウハウと、投資家ニーズへの継続的な対応を基盤としている。
2025年6月末時点において、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントが関与する運用資産残高は5兆米ドルを超えており、60カ国以上の顧客に対してサービスを展開している。その中には、グローバル規模での戦略的パートナーシップを通じた提供も含まれ、コスト効率に優れた幅広い投資手段を提供している。ETFの運用資産総額1兆6,898.3億米ドルを含み、そのうち約1,160.5億米ドルは、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ・ファンズ・ディストリビューターズ・エルエルシー(「SSGA FD」)がマーケティング・エージェントを行っているSPDRの金の資産となっている。SSGA FDはSSGAの関連会社で、すべての運用資産残高は監査前の数値。
なお、ステート・ストリート・インベストメント・マネジメントは、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ株式会社が行う資産運用関連業務のブランド名である。
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連載【ステート・ストリート・インベストメント・マネジメント】金市場を徹底分析