高額なほど好条件が期待できるホテルや旅館とは異なる
問:高額であればあるほどよい施設なの?
答:介護サービスに最も重要なのは「ヒト」ですが、立地条件、建築や内装にコストをかける場合もあります。
<高額な費用の内訳>
ホテルや老舗の旅館など宿泊施設は、一般的に値段が高いほど施設が豪華になり、それにともなってサービスが洗練されており、利用客の満足度も高くなるだろうという想像ができます。つまり、実際に宿泊したことがないとしても「高級」であれば「よい施設」なのだという暗黙の約束があるわけです。
老人ホームも高額な施設ほど高品質のサービスを受けることができるという印象が強いと思われるでしょう。ところが、意外なことに老人ホームに関しては当てはまらないこともあります。
入居費の大半が「施設費」である場合も
民間の老人ホームの費用は、立地と設備、人件費によって変わります。都心にある、駅の近くにある施設の費用は高くなります。またエントランスや共有スペースなどが豪華な施設も同様です。
もちろん自由に外出ができる状態であれば立地は重要ですが、職員と同行しないとできないのであれば、あまり意味がないかもしれません。
立地は、親族や友人が通いやすい施設のほうがよいのです。
ソフト面がどれだけ充実しているかを確認する
もちろん看護師などの専門家を24時間常駐させる、入居者に対するスタッフの人員配置を手厚くしている見守りや安全管理のマシンを導入しているなど、高額な施設ならではの良さもあります。
立地や設備といったハード面だけを見るのではなく、介護サービスのソフト面がどれだけ充実しているかを確認することが大切です。
高級な施設でも「スタッフへの待遇」がいいとは限らない
<ひとことメモ>
高い費用を支払うと、高いサービスを受けられるのでしょうか。
もちろん、豪華な食事、クルージング等の外出の機会、同じような価値観の入居者との交流など、様々な良い点はあります。これだけでも高額な費用を支払う理由になるかもしれません。
しかし、人材の面ではどうでしょうか。新聞の集合求人広告やインターネットの求人広告を見るとわかるように、高級な施設も一般的な施設も待遇にそこまで差があるわけではないようです。単純に費用で判断せず、しっかり施設やスタッフを見ることが大切です。