見学する時間帯は「お昼時」がベスト
問:入居前の施設見学は何カ所ぐらい見ておけばいいの?
答:なるべく特徴の異なる施設の情報を集めて、最低でも3施設は見ておきたいところです。
<入居施設の見学>
Webやパンフレット、知人からの紹介などで入居希望施設の候補をいくつか絞り込んだら、実際に見学してみます。
入居者本人と一緒に見学に行くことができればベストですが、難しい場合には、兄弟や夫婦などで行くようにしましょう。1人の目で見るよりも複数の目でみたほうが客観的に見られるからです。
見学に際しての心構え
職員や入居している方の様子は見学してはじめてわかります。雑誌や書籍などで介護施設ランキングなどが掲載されていることがありますが、記事広告の場合もあり、あくまでも参考程度として実際に自分の目で見て判断することが大切です。
時間帯はお昼時にしましょう。入居者が食堂に集まる時間帯なので、雰囲気や介護度などがわかります。
施設の中だけでなく、周辺の様子もチェックしておきます。自由に外出できる施設であれば、近くにコンビニやスーパーがあると便利です。
なお、見学する際にあらかじめ電話して施設長とアポイントを取ることをお勧めします。施設長の考えや理念を聞くことは、とても大切だからです。
まずは体験入居の希望を伝えてみる
その場で結論をださない
見学した後で熱心に勧誘され、「今月中に決めないと次はいつ空きがでるか分からないですよ」などと言われることもあります。
長期間入るのですから、すぐに決めないで下記のプロセスをお願いしてみてください。
「大変興味があるので、1日体験入居させてほしい」
「大変に興味があるので、1泊2日体験宿泊したい」
「大変興味があるので、1週間住んでみたい」
こういったサービスをしていない、と言われた場合でも、契約する前提で相談すれば、対応してもらえるケースは多いようです。逆に、そういった要望に対応することなく、あくまで「すぐ決めて!」と迫ってくるようなところは、あまり良くないと言わざるをえません。
パーフェクトな施設はない
一つの施設だけ見て決めてしまうのはよくないですが、あまり時間をかけて選ぶのも考えものです。
家を買う前に色々な物件を見学しすぎて、結局買わずに終わる場合があるように、情報が多すぎると、施設選びもできなくなってしまいます。立地、雰囲気、サービス、娯楽、金額と、こちらのすべての希望を満たす施設はなかなかありません。
施設見学に持参するもの
●パンフレットや重要事項説明書
→できる限り見学前に目を通して不明点を聞きます。
●周辺の地図
→近隣にある提携病院を確認する際などに便利です。
●デジタルカメラ
→スマートフォンでもOKです。
●ラインマーカーや2色ボールペンなど
→特記事項をマーキングしておきましょう。
他の入居者の介護度も、施設選びのポイントに
昨今、ニーズの高まりから医療的な対応から看取りまで行う老人ホームが増えてきています。その結果、入居者も自立から要介護5まで幅広いものになってきました。
入居先の老人ホームに同じ状況の方が多いほど、あなたのご両親は、違和感なく溶け込むことができます。逆に、自立や要支援の状態であれば、要介護度の高い方が多い施設は合わないと感じるでしょう。共同生活は、入居先の方達と上手く交流できるかも大切だからです。施設に入居している方の介護度の割合は、重要事項説明書でも知ることができますが、更新されていないこともありますので見学時に聞いてみましょう。
複数の施設を見学した後、金額や介護サービスが同等で、どちらか一つに絞り込めない際の最終判断材料とするのもよいです。