契約・入居後に分かる「ミスマッチ」を防ぐ
問:体験入居で必ずチェックしなければならないことは?
答:短期間の滞在で相性の判断は簡単ではありませんが、雰囲気やサービスの良し悪しを見ておきます。
<体験入居は究極の情報収集>
施設を見学していいなあと思っても、いざ入居してみると「何かが違う」と感じることもあり得ます。最悪の場合、どうしても我慢できなくなって、すぐに次の施設へ入り直さなければならない、というケースに発展しかねません。
介護・医療の専門用語で「トランスファーショック」という言葉があります。これは、住み着いた場所から移動したり、接する人が変わるという環境の変化による精神的なダメージを指します。入居してから短期間で施設を変わるのは避けたいところです。
そこで、契約をして入居をしてしまう前に短期の体験入居をしておくことが重要となります。
職員や他の入居者がどんな人かを確認する
長めの滞在で様子をみる
できれば1泊2日などの施設側がもともと用意しているサービスではなく、2泊3日から1週間程度にしてもらいます。1泊2日の「サービスパック」では、食事など体験用に用意することがあるからです。
さらに、食事の中身だけでなく、例えば食事時に食堂で近くに座る方をその施設に満足している方だけで固めたりしますので、本音の部分が聞けない恐れもあるのです。
まず調べること
最も大切なこと、それは人的な要素についてです。職員についてはもちろん、どんな方が入居しているかが入居後の暮らしやすさを左右するので非常に重要です。
つまり、入居する本人と同じ位の介護度の方が多い施設が「合う」可能性が高いということです。
他の入居者の平均的な介護度が大きくずれると生活のペースが合わずストレスになります。入居している方に話かけ色々と聞いてみるのもよいでしょう。
また、食事も肝心です。食事は生活の楽しみのひとつです。嗜好が合わない施設では暮らすのが苦痛になるので大切な要素です。
体験入居には費用がかかる
有料老人ホームで行っている体験入居は、無料サービスではありませんので、費用を支払うことになります。さらに介護保険を使うこともできません。全額自己負担です。その内訳は、月額の費用を日割りで計算する形となり、だいたい1泊1500円から5000円位というあたりが相場なようです。
なお、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)など介護保険で入れる施設には、体験入居という考え方がありませんので代わりにショートスティを利用することになります。
<体験入居の際のチェックシート>
【図表 介護保険施設のショートステイ】
介護保険施設へのショートステイはケアマネに相談
介護保険施設のショートスティ
短期入所生活介護とも呼ばれています。体験入居との違いは、介護保険を利用できることです。施設を探すためというよりは、一時的に介護する家族の都合で面倒を見られない間、入るということが多いです。
ベッド数の関係で前もって予約しなければいけない施設も多いので注意が必要です(大体1ヶ月位前から申し込む必要があり)。
直接、施設に電話をして聞くこともできますが、ケアマネジャーに相談したほうが早いです。費用は部屋のタイプや介護度によって変わり、送迎などの費用が別途、加算される施設もありますのでケアマネジャーに確認してください。