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一般的な認識と少しズレる株
エビ銀はにっこりと笑う。
「いや、確かにテレビCMがよく流れるので大企業だと思われがちだけど、この手のお菓子メーカーや加工食品メーカーは、そこまで規模が大きいわけじゃないんだ。もし、お菓子一辺倒から抜け出して、別ジャンルへの進出に成功したら、会社は見違えるように成長すると思うよ。特にヘルスケア分野はプロも注目する巨大市場だからね。その市場で、既にうまくやっているようなら期待できるね。この会社のブランドがあれば安心感もある」
「へぇ〜、そういうものですか……」
2人は少しずつ気付き始めていた。どうも、株というものは、一般的に考えられている思い込みとはちょっとズレたところに良い答えがあり、しかし、よくよく調べてみると、とても納得できる理由が存在する。成長株というと、IT企業とか、ネット企業とか、何か先端技術を開発しているような、近未来的なイメージを持つ企業ばかりだと思っていたが、案外、住宅やお菓子みたいな、とても身近な分野にも存在するようだ。勉強すればするほど株の奥深さや面白さに気付いていく。
「そうなんだよ。世間一般の常識的な見方で企業を決めつけてしまうと、良い株を見つけられなくなるんだ。伝統あるお菓子会社なんてもう伸びないと思うんじゃなくて、伝統あるお菓子会社が本気で海外進出して、本気でヘルスケアに進出したら、きっとすごく伸びるはず!っていう視点がとても重要なんだ」
姫奈はまたノートに書き始めた。
・投資に勝つコツ⑦
これまでの常識で、会社の成長力を決めつけてはいけない。たとえ、伝統的な企業でも、新しいジャンルで稼ぎ出したら、大化けする可能性がある。
「本当にそうね。ワタシも、常識にとらわれちゃダメって、いつも自分に言い聞かせてるの。そうしないと、ありきたりな株でありきたりな成績しか残せなくなっちゃう」
お酒の用意をしながら、サラ柴はさらにこう付け加えた。
「日本市場にとどまっていた会社が、思い切って、海外に飛び出して、大きく成功する。そんな事例は最近すごく多いの。1億2000万人の市場から、何十億人もの世界市場へと規模が何十倍にも大きくなるんだから、それこそ10倍高だって狙えるのよ。ユニクロもそう、ドン・キホーテもそう。丸亀製麺もそう。ハワイに行ったら行列ができていたわ」
「なるほど」という顔をしながら姫奈はノートに書き足す。
・投資に勝つコツ⑧
これまで日本国内でうまくやっていた企業が、思い切って海外進出した時が狙い目。市場は何十倍にも広がり、株価も大上昇が期待できる。
「さあ、今日は高知のお酒が手に入ったんだ。こいつは水のように飲めちゃうから大変だぞ」エビ銀が一升瓶を取り出した。もちろん、例によって、エビ銀のおごりだ。
