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この1年で既に2倍になっている株は、「買い」か?
「もう1点、質問してもいいですか?」
お酒の準備をするエビ銀に信二が聞いた。
「ちょっとメイポに関して心配なことがありまして」
「ふーん。良さそうな株だけどね。どんなこと?」
「実は、この株、1年ほどで2倍も上がっているんです。既にこんなに上がった株って、やっぱヤバすぎますよね。メイポを買うなら、今すぐじゃなくて、これまで上がった反動で、下に株価が動いたタイミングを待つ必要があるんでしょうか?」
これにはエビ銀がほぼ即答した。
「関係ない」
マハ・カラが解説する。
「信ちゃんさ、成長株って、上がりだしたら2倍とかってレベルじゃ終わらないんだ。企業の業績はほんの数年で5倍にも10倍にもなるし、株価もそれに合わせて、5倍にも10倍にもなる。たった2倍でビビってたら、買える成長株なんて1つも見つけられなくなるよ」
信二は驚いた。
「『たった2倍』って感覚なんですね。僕は持ち株が2倍も上がったら、嬉しくて、すぐに売っちゃいそうですが、じゃあ、それもダメってことですね」
「もちろん」エビ銀が答える。
「よく、3割儲けたら売るとか、2倍になったら売るとか、銘柄の良し悪しに関係なく、目標株価を設定して、その株価になったら、必ず売るって人がいる。けど、株価が3割高とか2倍高とかになっている間に、企業の価値がそれ以上に上がっていることもある。仮に株価が2倍に上がったとしても、儲けの見通しは3倍とか5倍とか、もっと良くなっていたら、むしろ、お買い得感は前より高まったと考えなきゃいけない。オレなら、売るどころか、むしろ買い増しをする」
サラ柴も付け加える。
「短期トレーダーの中には、いくら上がったら必ず売る、いくら下がったら必ず売る、みたいに、株価だけを見て売買するケースが多いわ。単純だし、直感的にわかりやすい。けど、少なくとも数年単位で企業の成長を見守るような長期投資を実践するなら、話はまったく逆。株価が少々上がろうが、少々下がろうが、さらなる成長が期待できるなら、とにかく企業の成長力を信じて、辛抱強く持ち続ける。それが、企業を応援しながら、自分たちも儲けようとする、株主の本来のあり方だと思うの」
「うん。ただ……」マハ・カラがさらに付け足そうとしたところで、エビ銀が止めた。
「まぁ、そういう話は、もう少し実戦経験を積みながら学んでいくことだな。まずは、有望株を見つけたら、それを買い忘れないこと。これが一番大事。加えて、せっかく見つけた有望株は、既に2倍も上がっている、という理由だけで買うのをやめちゃダメ。そこまでは頭に叩き込んでくれ」
・投資に勝つコツ⑬
有望株を見つけたら、それを買い忘れてはいけない。
・投資に勝つコツ⑭
既に株価が上がっているという理由だけで、有望株を買うのをやめてはいけない。
姫奈は忘れないうちにノートに書き留めた。
