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プロテイン…じゃなくて、「プラ転」とは?
「へーっ、モリタン製菓が良いと思ったんだ。面白いね。どうして?」
エビ銀は興味深そうにエクセルのシートを読んでいる。
「きっかけは、姫奈のダイエットです。彼女は毎日ダイエットのための筋トレをしているんですが、終わった後、筋肉を増強するためにプロテインを飲むんです。それで、そのプロテインを作っている会社はどうかなって。そしたら、それがモリタン製菓だったので、もしかすると面白いんじゃないかと思って調べてみました」
信二が答えると、サラ柴が姫奈に聞く。
「そのプラテン?とかいうやつ、みんな飲んでるの?」
「あっ、プロテインです」
姫奈の訂正に被せるように、エビ銀が解説した。
「ちなみに、プラテンっていうのはね。株価が低迷してずっと含み損だったものが、反転上昇して含み益に転換することなんだ。プラス転換、略してプラ転。逆はマイ転」
「そのプラテンだか、テンプラだかってのが、売れてるのね?」
齢を重ねると新しい単語が頭に入らない。それで、知っている単語で何とか処理してしまう。
「はい。筋肉を増強したい人は、大抵プロテインを飲んでいまして、モリタン製菓のやつも結構売れているんです。最近は、若い女性の間でも、美しく痩せるための痩せ筋トレが流行っていまして……」
「なるほど。ムッキムキになるんじゃなくて、程よく、筋肉をつけるのね?」
納得するサラ柴を横目に、エビ銀がさらに質問する。
「じゃあ、モリタン製菓はこれまでお菓子しか作っていなかったのに、健康食品やサプリメントを強化しているから、今後はその分野が伸びて、株価が上がると考えたのかな?」
「はい」信二はさらに続ける。
「ただ、それだけではないんです。この会社を調べてみると、最近は海外にお菓子をどんどん輸出しているようなんです。中国やアメリカでも売れ始めていて、それで、もしかしたら、そっちも行けるんじゃないかなと……」
エビ銀は感心しながら聞いている。
「つまり、モリタン製菓はお菓子の開発技術や販売ノウハウを使って、1つには健康分野に応用しながら、もう1つには海外展開に力を入れていて、その両方が、今後ぐんと伸びる可能性があると考えたってことかな」
エビ銀が確認するのを聞いてサラ柴も納得した。
「確かにそうなのよね。海外旅行に行くと、お菓子の種類って少ないのよ。日本みたいに、お菓子とか加工食品とかが充実してる国って、なかなかないわ……。日本のお菓子メーカーが海外進出したら、きっと売れるって、ワタシもずっと思っていたの」
「ヘルスケアと海外なら、どちらも成長余地が大きそうだしな」
この銘柄なら行けそうだという反応をしている2人に、姫奈から質問が出た。
「でも、銀さんからは、大企業よりも成長余地の大きい小さな会社が狙い目って聞いていたんで、どうかなって、思ってたんです。モリタン製菓はみんな知ってる大企業だから、今後も大きく成長するのは難しいかもしれないって……。どうですか?」
