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席は5つ、それでも6社の株を買いたい場合
エビ銀が答える。
「マハ・カラが言うように、資金に余裕があるなら、2社とも買えばいい。ただ、もし、6社見つかって、それを5社に絞るっていう場合は工夫が必要だな」
エビ銀はコピー用紙にペンを走らせながら図を使って説明を始めた。
「まず、席は5つ用意しておく。けど、6社買いたくなる。もし、そのうちの2社が、業種や成長理由のよく似た2社なら、1つの席に2社とも座らせるのさ。例えば、1000万円の軍資金で5社なら、1社当たり200万円だから、その1つの席を2つに分けて、100万円ずつ2社に割り振る」
姫奈は、慌てて信二の席に移り、2人で半ケツで座ってみせた。
「こういうことですね?」
「ハハハ。そうだ。半ケツで座らせるんだ。席が埋まっていない時は、たまたま業種がカブっても、有望に思える株を見つけることができたなら、リスクがカブるという認識を持ったうえで、あえて両方買えばいい。で、将来、有望株がどんどん見つかって、5つの席が埋まり、さらにもう1社有望株が見つかった時に、一方を退席させるのか、半分ずつ売って、1つの席に半ケツで座らせるのか、その時点で判断すればいいのさ」
サラ柴が付け加える。
「席数を決めることは重要。その上で、もっと良い株がないか、探し続けることはさらに重要。そうやって、常に自分にとって最高の5社をそろえ続ける努力をする。そうすると、常に、席の取り合いが始まる。ちょうど、野球のレギュラー争いと似ているわ。で、例えば甲乙つけがたい2人が同じポジションを争っている状態なら、おそらくそのチームの監督は、2人ともベンチに入れて、状況によって使い分けるはずよ。1つのポジションを2人で分け合うイメージね。でも、明らかに差が出てきたら、一方をレギュラーから外し、もう一方に絞る。よくわからないうちは両方使ってみる」
信二も納得した。
「なるほど。じゃあ、皆さんもそうやって銘柄管理をされているんですね」
「考え方は同じさ。オレたちの運用額は信ちゃんたちとはケタが違うから、5社に絞るってわけにはいかないけど、それでも、銘柄数を限定させて、その範囲で最高の銘柄だけを持つことにこだわる。その一連の思考が投資力を高めるし、保有銘柄をフレッシュに保ち続けることにつながる。君たちも、とりあえずは5社で始めればいいと思うけど、もし、うまくいって資産が大きく膨らんだら、銘柄数を増やしても構わない。ただ、常にその時点でベストな席数はいくつかを考えておくことが大事だよ」
姫奈がノートを取り出した。
・投資に勝つコツ⑪
保有銘柄数を事前に決めておくことが大事。その上で、さらに良い株を探し続け、常に自分にとって最高の銘柄を持つようにする。
・投資に勝つコツ⑫
ただし、甲乙つけがたい場合は、1つの席に2社を入れるなど、柔軟な発想で構わない。持っているうちに業績に差が出てきたら一方に絞る。
書きながら、姫奈がもう1つ質問する。
