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インフレが企業価値「株価」にもたらすもの
もう少しインフレと株価の話をしましょう。
株価というのはなにを表しているのでしょう。「企業価値」を表すとよくいわれますが、では具体的に企業価値とはなんでしょう? 一概にいうことは難しいですよね。人的資本やブランド、またはキャラクターなどの知的財産(IP:Intellectual Property)などの直接数値で測れない無形資産も、企業価値の一部を成す重要な要素です。
しかし、やはりわかりやすいのは、数値になる財務指標です。バランスシート上の資産や純資産、損益計算書で言えば売上高や利益などは、企業価値を測る重要な要素であることに異を唱える人はいないでしょう。それらの資産や売上高もインフレによって膨らみます。名目値である株価が上がるというのは、実は株価が表す企業価値の根源にある企業が有する資産価格や企業が稼ぎ出す売上高、利益がインフレによって水増しされるからだと考えると納得がいくのではないでしょうか。
単に水増しされるというより、インフレが常態化した経済では企業の値上げも通りやすくなり、その結果、売上高の名目値が増えるということもあります。原材料価格や人件費などコストもインフレで増加するので最終的には利益がどうなるかが重要ですが、社会に必要とされる商売を行う企業は、コストに利幅を上乗せして売ることが可能であり、結果として利益も増えやすいといえます。
ではインフレがなければ株価は上がらないのでしょうか。そんなことはありません。むしろインフレによる株価上昇は「おまけ」みたいなもので、インフレがなくても株価は上がるメカニズムがちゃんと備わっています。
広木 隆
マネックス証券株式会社
チーフ・ストラテジスト 執行役員
※本記事はマネックス証券 チーフ・ストラテジスト広木隆氏のストラテジーレポート『株価はなぜ上がるようにできているのか - 株価上昇の本源的メカニズム【前半】』を抜粋し、THE GOLD ONLINE編集部が本文を一部改変しております。また、投資による結果に編集部は一切責任を負いません。投資に関する決定は、自らの判断と責任により行っていただきますようお願いいたします。
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