(※写真はイメージです/PIXTA)

年金が平均的な水準でも、介護が必要になった途端、老後の家計は一気に苦しくなります。夫婦で月16万円の年金生活を送っていた80代の両親も、その例外ではありませんでした。自宅での暮らしが限界を迎え、老人ホーム入居を検討した家族が直面したのは、想像以上に重い「費用の壁」でした。

夫婦で「月額16万円」年金生活の両親…老人ホーム入居を検討

中山さん(仮名)の両親は、ともに80代。夫婦で受け取る年金は、月あたり約16万円です。住宅ローンはすでに完済し、これまでは慎ましくも穏やかな老後を送ってきました。

 

ところが近年、体力の低下や持病の悪化により、自宅での生活が次第に難しくなってきたといいます。

 

「両親は年金だけで生活してきましたが、医療費や介護サービスの利用で出費がかさむようになりました。さらに、自宅のメンテナンスや日常の買い物も難しくなり、私が手伝うことが増えてきました」と中山さんは語ります。

 

総務省『家計調査年報(家計収支編)2024年(令和6年)』によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の消費支出は平均25万6,521円。これに対して可処分所得は22万2,462円で、月あたり約3万4,058円の赤字となっています。

 

両親の状況を考慮し、中山さんは老人ホームへの入居を検討し始めました。安心して暮らせる環境と、専門的な介護を受けられることが魅力でした。しかし、老人ホームの費用について調べていくうちに、その高額な費用に驚かされることになりました。

 

自宅での生活が難しくなり、中山さんは老人ホーム入居を検討し始めます。しかし、見学や資料請求を進める中で、現実の壁に直面しました。

 

「月額20万~30万円が相場で、初期費用に数百万円必要な施設も多かった。両親の年金では、到底まかなえませんでした」

「高額な費用」の内訳

老人ホームの費用には、入居一時金、月額利用料、介護サービス費用などが含まれます。入居一時金は一度に支払う大金で、数百万円から場合によっては1,000万円を超えることもあります。月額利用料には、家賃、食費、管理費が含まれ、さらに介護サービス費用が加わります。

 

「入居一時金を支払えば月額利用料が安くなるというプランもありましたが、両親がその金額を用意するのは難しかった。月額利用料だけでも20万円を超えるとなると、年金だけではとてもカバーできません」と中山さんは説明します。

 

中山さん自身も家庭を持ち、子どもの教育費や住宅ローンの支払いなど、経済的な負担が大きい中で、両親の老人ホーム費用を捻出するのは非常に厳しい状況でした。「自分の家族の生活費もある中で、両親の介護費用をどう工面するか、本当に悩みました」と中山さんは語ります。

 

費用面から、特別養護老人ホーム(特養)などの公的施設も検討しました。しかし、入居待ちは数年単位になることも珍しくありません。

 

「今すぐ介護が必要な状態では、現実的な選択肢ではありませんでした」

 

 \2月7日(土)-8日(日)限定配信/
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