\1月20日(火)ライブ配信/
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ハワイに暮らす“片道切符ホームレス”の存在
ハワイで暮らす「片道切符ホームレス」という言葉をご存じでしょうか。これは、アメリカ本土のホームレスに対し、ハワイ行きの片道航空券と必要最低限の初期費用を国が負担し、ハワイに移住させる取り組みを指します。
この施策は10年以上前から小規模に行われていたようですが、コロナ禍でアメリカ本土のホームレスが急増した結果、カリフォルニアやニューヨーク州では対応しきれなくなり、大量のホームレスがハワイに送られました。こうして、「片道切符ホームレス」の実態が世間に浮き彫りになったのです。
地理的条件や一年中温暖な気候が影響し、ハワイは全米でも特に深刻なホームレス問題を抱える州です。加えて近年は、州内の住宅価格の高騰やアメリカ全体の物価上昇により、ハワイの現地住民も家を失いホームレスになるか、物価の安いアメリカ本土へ移住せざるを得ない状況が増えています。
このような背景を受けて、ハワイ州政府は低所得者向け住宅の提供や、ホームレスをアメリカ本土に送り返すための資金調達などの対策を行っています。しかし、住宅難民の数は依然として増加傾向にあり、一部の地域では治安悪化も懸念される状況です。
今回は、観光客からはなかなか知られることのない、ハワイの「楽園の裏側」で現地の人々が直面しているハウジング問題について解説します。
ホームレス問題の実態
ハワイは観光地として訪れると、美しい海と山に囲まれたリゾート地というイメージが強いですが、その裏側では深刻なホームレス問題が存在しています。
ハワイ州のホームレス人口は全米でも特に多く、昨年末の統計ではホームレスの数が約11,637人に達しました。また、下の地図[図表1]からも分かるように、州の面積に対するホームレスの割合は全米トップレベルとなっています。
https://www.huduser.gov/portal/sites/default/files/pdf/2024-AHAR-Part-1.pdf
ハワイは一年を通じて温暖な気候と整備された自然環境があることから、昔から地理的にホームレスが住み着きやすい土地とされてきました。
例えば、島の至る所にある公共ビーチには無料のトイレや足洗い場が設置されており、海辺や街中の公園にはベンチやテーブルが整備されています。観光客で賑わうワイキキ周辺では、置き去りにされたビーチ用品や食べ物の残りも見つけやすく、ある意味ではホームレスにとっても生活しやすい環境といえるでしょう。
さらに、コロナ禍以降、アメリカ本土での失業や治安悪化の影響を受け、「片道切符ホームレス」と呼ばれる多くの人がハワイへ流入したことで状況は一層深刻化しました。また、彼らの多くはパスポートや運転免許証といった身分証を持たないため、本土に戻りたくても飛行機に乗れず、島から出られないケースがほとんどです。
以前よりも快適な環境で暮らせるようになったと喜ぶホームレスが一定数いる一方で、これは国が国民の目をそらすために仕組んだ「トラップ」のような構造ではないかと違和感を覚える人も少なくありません。
結果として、ハワイでは至る所でテントを張って暮らしたり、スーパーの買い物カートを押しながら移動したりするホームレスの姿が見られるようになりました。ワイキキの繁華街であるカラカウア通りやワイキキビーチ周辺にも一定数のホームレスがいるため、日本の「安全が当たり前」という感覚のまま行動せず、常に注意を払うことが大切です。
