\1月20日(火)ライブ配信/
調査官は重加算税をかけたがる
相続税の「税務調査」の実態と対処方法
増え続けるホームレスに挑む、ハワイ州の施策とは
ハワイ州では深刻化するホームレス問題に対応するため、州政府や各自治体がさまざまな対策を講じています。現在、最も注目されている取り組みのひとつが、ホームレスを無償で本土へ帰還させる「Return to Home Program」です。
これはその名の通り、ハワイに流入してきたアメリカ本土出身のホームレスを本来の居住地へ送り返す仕組みであり、ハワイ州上院はこのプログラムを恒久化する法案「House Bill 212」を可決しました。
これまでに130名以上のホームレスが本土に戻る支援を受けており、一定の成果を上げたと評価されています。今後もハワイ州は、希望者が本土(出身地)で家族や支援者と再会できるよう、費用の補助や連絡調整を行い、より多くの人々を元の生活基盤へ戻すことを目指しています。
一方で、第三者的な視点から見ると、この取り組みは「ホームレスをたらい回しにしているだけ」との批判もあり、さらに納税者の税金が投入されることへの疑問も残ります。それでも、ハワイ州にとっては治安の改善や社会的コストの軽減につながっているのも事実であり、地域の早急な課題解決策として一定の役割を果たしていると言えるでしょう。
観光立国としてのハワイにとって、街の治安を安定させることは必要不可欠です。こうした施策は、観光地としてのイメージを守りつつ、現地住民の生活環境を改善することも目的としています。
しかし、住宅価格の高騰や物価上昇が続くなかで、ホームレスの増加に歯止めがかからないのも現状です。州としては、短期的な支援と長期的な住宅政策の双方をバランスよく進めることが、今後ますます重要になるでしょう。
もう一つの課題:ハワイ現地住民を直撃する住宅価格高騰
本土からのホームレス対応に追われるハワイですが、ハワイが直面しているもう一つの課題に、止まらない住宅価格の高騰があります。その結果、住み続けることが困難になり、ハワイを去らざるを得ないハワイで生まれ育ったローカルの人々が増えています。
下のグラフ[図表2]は2025年8月時点のオアフ島の不動産取引中間価格を示しています。特に緑の線は、ローカル住民が多く住む戸建物件の価格を示していますが、ここ20年間で価格は倍以上に跳ね上がり、2025年8月の中間価格は $1,105,000、現在の為替で約1億6,558万円に達しています。
これは、一般の人が気軽に購入できる価格とは言えません。これに加えて、年々高騰する生活費や、ハワイ特有の製品にかかる輸送費が上乗せされた価格を払い続けることが難しくなっています。その結果、生活費が安いアメリカ本土の州へ引っ越す人や、政府からの生活手当を必要とする住民が増加しています。

