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アメリカの金利動向と日本人投資家を悩ませる円安の行方
2025年のハワイ不動産市場を語るうえで避けて通れないのが、FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策と、日本人投資家に大きな影響を与えた為替動向です。
2022年以降続いてきた米国の利上げ局面はすでにピークを超え、2024年後半から2025年にかけては、「高金利の長期化」を前提とした調整局面へと移行してきました。こうした流れの中、2025年1月に発足したトランプ政権は利下げを志向する姿勢を示し、年後半には米政府による利下げが発表されました。
急激な変化こそ見られないものの、金利は緩やかな低下基調を維持しており、今後も続くと見られる利下げ政策によって、米国不動産市場は新たな局面を迎えることが予想されています。
もっとも、固定ローン金利は現在も6.2%前後で推移しており、決して「低金利」と言える水準ではありません。長期化した高金利環境は投資家心理を慎重なものとし、2025年を通じて市場全体の動きは例年よりもややスローペースとなりました。この傾向は、後述するハワイ不動産市場の動きからも読み取ることができます。
一方、日本人投資家にとっては、2025年も引き続き円安に悩まされる一年となりました。年初は1ドル=156円前後でスタートし、その後一時的に140円台前半まで円高方向へ振れる局面もありましたが、最終的には再び円安基調が強まり、年末にかけては155円台で推移する見通しとなっています。
資産構成によっては円安が追い風となるケースもありますが、為替の不安定な動きは多くの日本人投資家にとって心理的な負担となり得ます。こうした環境下で、今年1年ハワイ不動産の売買に携わる中で見えてきた投資家の動きには、大きく分けて2つの傾向がありました。
1つ目は、すでに保有しているドル建て資産を売却し、円安局面を活かして一度現金化したうえで、次のドル建て資産への買い替えを検討する投資家です。為替を意識しながら資産を組み替える、比較的守りの姿勢が見られました。
2つ目は、長期化する円安を一時的な異常ではなく「新たな前提条件」として受け止め、為替変動を過度に恐れることなく、新築物件など新たなドル建て資産への投資に踏み切る投資家です。
ハワイ不動産には、こうした局面でも共通して見られる特徴があります。それは、世界情勢や為替の変動があっても、ハワイという場所そのものが持つ特別なロケーションと価値に惹かれ続ける、根強いファン層が存在する点です。短期的なアップダウンに左右されない投資家たちが、結果として市場の底堅さを支えていると言えるでしょう。
