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フェラーリは減価償却資産に該当するのか?
フェラーリを所有することは、社会的には高額所得者のステータスシンボルと認識されています。その市場価格は、一般の自動車とは異なり、必ずしも経年に伴って下がるわけではなく、希少性や美的価値によって上昇することもあります。
このフェラーリについて「減価償却資産に該当するか」が争われた判例(東京地裁令和5年3月9日判決・東京高裁令和5年11月30日判決)があります。
◆事件の概要
処分行政庁は、原告が所有していたフェラーリ4台が所得税法38条2項の「使用又は期間の経過により減価する資産」に該当するとして、譲渡所得計算上、取得費から減価償却相当額を控除して更正処分を行いました。
これに対し原告は、「そのうちフェラーリF50は減価償却資産に当たらない」と主張し、処分の取消しを求めました。
争点は、値上がりしているフェラーリを譲渡した場合、取得費の計算において減価償却を行うか否かという点でした。
◆課税額に大きな差
通常、譲渡所得の計算は以下のとおりです。
「取得費」が減価償却資産に該当する場合は、以下の計算になります。
たとえば、1億円で購入したフェラーリを2億円で譲渡した場合、
・減価償却を行うと取得費は1,000万円(1億円-9,000万円)、課税対象は1億9,000万円
・減価償却を行わないと取得費は1億円、課税対象は1億円
となり、課税額に大きな差が生じます。
