富裕層にとって「移住」は単なる居住地の変更にとどまりません。移住先や在留資格の選択次第で、相続税・贈与税・出国税などの負担が大きく変わる場合があります。移住により、思わぬ資産減少の可能性もあることから、移住前にエステートプランニングを策定又は見直すことが必要となります。
ゴールドオンライン新書最新刊、Amazonにて好評発売中!
父が溶かした退職金【上巻】・【下巻】
小林篤典(著)+ゴールドオンライン(編集)
シリーズ既刊本も好評発売中 → 紹介ページはコチラ!
移住前のエステートプランニングの必要性
富裕層の特徴として資産が国内にとどまらず海外にも広がっている点が挙げられます。それに加えて、居住場所についても国内にとどまらず、家族が複数の国にまたがって居住するケースが少なくありません。
たとえば、依頼者ご夫婦自身は日本でのみ生活していても、子どもは留学後に現地で就職・結婚し海外居住している、といった状況は珍しくないのです。
また、日本国内で結婚・出産した夫婦であっても、比較的若い世代を中心に海外へ移住する例も増えています。さらに、家族が全員日本国籍を持つとは限らず、外国籍や複数国籍のメンバーを含むことも富裕層の特徴といえます。
近年、富裕層から特に増えている相談が「移住」に関するものです。移住の際には在留資格や生活環境に目が向きがちですが、実際には移住により最も大きな影響を受けるのは税務です。そのため、移住前に新たにエステートプランニングを行う、あるいは既に策定済みのプランを見直すことが不可欠です。
移住に際してエステートプランニングを怠った結果、移住後に資産が大幅に減少した事例は少なくありません。一度居住地を移してしまうと取り返しがつかないことも多く、特に富裕層においては影響が甚大です。
そのため、移住前にエステートプランニングを行う、または見直すことが必須となります。これを「プレイミグレーションプランニング(pre-immigration planning、移住前計画)」と呼びます。
シティユーワ法律事務所
パートナー弁護士/弁護士(第二東京弁護士会)/ニューヨーク州弁護士
専門は国内相続・国際相続・エステートプランニング・事業承継等のプライベートウェルス全般及び労働・労務管理。Chambers HNW (Private Wealth)及びLegal 500 (Private Client)では、継続的に高い評価を受賞。
信託法学会のほか、STEP(Society of Trust and Estate Practitioners(信託及び相続に関する国際実務家団体))、TIAETL(The International Academy of Estate and Trust Law(相続及び信託に関する国際法律家協会))及びACTEC(The American College of Trust and Estate Counsel(全米信託相続弁護士協会))に所属し、国際相続に関する専門家向け・金融機関向けセミナー講師及び上記国際団体でのスピーカー経験多数。著作として、日本語では、『国際相続の法務と税務<第2版>』(税務研究会出版局)、『財産を減らさない分散管理のポイント100』(財経詳報社)、『国別でわかる!海外信託による相続の税務と法務』(第一法規)等。
著者プロフィール詳細
連載記事一覧
連載税務当局が監視する、超富裕層の国際相続をふかぼりする