9月の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・8月の米ドル/円は早々に「雇用統計ショック」で急落したものの、その後は方向感のない小動きに終始した。
・ただ日米の金融政策の違いから日米の金利差は縮小方向と考えられ、この数ヵ月の円売りの中心のひとつとみられたヘッジファンドが円買い再開に転じた可能性もあることから、方向性が出るなら米ドル安・円高か。
・9月の米ドル/円予想レンジは143~148.5円。(第2週予想は最後をご参照ください)。
「雇用統計ショック」後は小動きに終始した8月
8月の米ドル/円は、150円台と3月末以来の高値圏でスタートしました。しかし、1日に発表された米雇用統計を受けて労働市場が急悪化していた可能性が浮上し、米利下げの早期再開観測から米金利が大きく低下すると、一転して米ドル/円も急落し、「雇用統計ショック」となりました(図表1参照)。
ただしその後は米ドル/円も下げ渋り、147円台中心の方向感の乏しい展開が続きました。これは「雇用統計ショック」で急落した米国株がすぐに反発に転じたことが影響したと考えられます。
景気の先行指標でもある株価が最高値圏で推移するなかで、早期利下げ再開についても慎重な見方が出てきた可能性があります。
こうした状況のなかで注目を集めたのが、ジャクソンホール会議におけるパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演です。その内容からは、9月のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げが行われる可能性が示唆されたと受け止められました。
ただし、それが連続利下げの始まりとなるかどうかは依然として不透明であり、その不確実性が米ドル/円の方向感が乏しい状況が長引いた要因となったのではないでしょうか。


