「レーバーデイ」明け、“円高再燃”の可能性
9月の米ドル/円予想レンジは「143~148.5円」
9月のレーバーデイ明けは、実質的な夏期休暇明けでトレードを本格化することにより相場が一方向に大きく動き出す傾向にあります。
米国は利下げ、日本は利上げといった具合に日米の金融政策の方向性が逆向きで日米金利差縮小が見込まれるなかで、米ドル/円の「下げ渋り」が終わり、米ドル安・円高が再燃するか、それがこの9月の焦点ということではないでしょうか。
以上から、9月の米ドル/円はこの間続いてきた146円半ば~148円半ば中心のレンジを米ドル安・円高方向へブレークする展開を予想します。このため9月の米ドル/円予想レンジは143~148.5円で想定します。
9月第1週は、5日発表の「8月米雇用統計」に注目
9月第1週の最大の焦点は、やはり5日の米8月雇用統計発表でしょう。前回は、過去分のNFP(非農業部門雇用者数)の大幅な下方修正により、予想以上に米労働市場が急悪化していた可能性が浮上し、米国株・米金利・米ドルが急落する「雇用統計ショック」となりました。
その後のパウエル議長の「ジャクソンホール発言」などから、今回の結果がどうであれ9月FOMCにおける利下げの可能性が変わることはなさそうですが、結果しだいでそれが0.5%以上の大幅利下げになるか、さらに連続利下げの始まりになるかなどを左右することになるでしょう。
以上の点を踏まえると、雇用統計が米ドル安・円高を示唆する内容となった場合、その影響は大きいと考えられます。こうした背景から、今週の米ドル/円の予想レンジは「145円〜148.5円」とします。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
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