(※写真はイメージです/PIXTA)

親をサポートするのは、子どもの責任――。そう思って親の生活のあれこれについて心配・援助する子ども世代は多いかもしれません。しかし「どこまでサポートするか」を見極めないと、自分の人生を見失う可能性も…。ある女性会社員の例から考察します。

「55歳の父に、サポートが必要なのでしょうか?」

伯母によると、春香さんが家を出て以来、父親の生活はまったく回らず、食事もまともにできず、体調もボロボロだというのです。伯母に激しい言葉で責められた罪悪感で、一度は実家に戻ることも検討したといいます。しかし、冷静に考えるうち、大きな違和感を覚えるようになりました。

 

「父は今年で55歳。大きな病気はありません。いまの会社で仕事を始めて改めて考えるようになったのですが、26歳の娘からの金銭的な支援や身の回りのサポートが、50代の父に必要なのでしょうか?」

「会社にも父と同世代の従業員がたくさんいます。その方たちと接していて、子どもが50代の親のお金や健康を心配するなんて、相当おかしいんじゃないかと…」

50代で「本当にお世話が必要な人」はどれくらい?

厚生労働省「令和4年版 厚生労働白書」によれば、要介護認定率は75歳以上で急増し、85歳以上では約6割に。一方で、65〜69歳は2.9%。40〜64歳に至っては、わずか0.4%程度となっています。

 

春香さんの父親は55歳で、治療すべき持病もなく、これまで普通に仕事をしていますから、行政や家族の手を借りる必要はなく、自活可能だと推察されます。

 

まだ55歳の父親に、20代の娘が全面的な日常のサポートや金銭援助を行う必要があるのか、本人の生活能力や家事能力の有無を問う以前に、考えるべきではないでしょうか。そしてまた、子ども時代からずっと「家族のサポート」を行ってきた春香さんも、改めて考える必要があるかもしれません。

 

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