8月19日~25日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・先週は米インフレ再燃への警戒から米金利が上昇、米ドル/円も148円台半ばまで上昇したものの、「ベッセント発言」きっかけに日米の金利差縮小の思惑で一時146円台前半まで下落する場面も。
・米早期利下げ再開への注目高まるなかで、今週のパウエルFRB議長のジャクソンホール会議は例年以上に読みづらく、それだけに市場が大きく反応する可能性もありそう。
・今週の米ドル/円は「145~149円」と予想。
先週の振り返り…前週同様147円台中心で方向感定まらず
「ベッセント発言」きっかけに一時146円台前半まで米ドル下落
先週の米ドル/円は、前週とほぼ同様に147円台中心の方向感の定まらない展開となりました(図表1参照)。CPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)といったインフレ指標発表を控え、インフレ再燃への警戒から米金利が上昇すると、米ドル/円も148円半ばまで反発しました。
ただその後、ベッセント財務長官がFRB(米連邦準備制度理事会)への利下げを期待する一方で、日銀にはインフレ対策で利上げへの期待を表明したことから、日米金利差(米ドル優位・円劣位)が縮小し、一時146円台前半へ米ドル安・円高となる場面もありました(図表2参照)。
ベッセント長官「日銀は後手」…9月追加利上げの可能性?
ベッセント長官は、先週あるインタビューのなかで、植田日銀総裁と話したことを明らかにしたうえで、「日銀はインフレ対策で後手に回っているかもしれない」、「インフレ対策で利上げすべきだ」などの見解を示しました。
これまでに明らかになったベッセント長官と植田総裁の会談は2回です。2月はじめに行われた1回目の会談後は、日本の金利が急上昇に向かい、日米の金利差縮小に沿う形で米ドル安・円高が広がりました(図表3参照)。
では、第2回目の「会談」後も、再び日本の金利上昇が主導する形で円高が広がるところとなるのでしょうか。
日銀の金融政策決定会合は、次回が9月19日、その次が10月30日の予定となっています。いまのところ10月30日の会合で追加利上げとの見方が一般的なようです。
ただ、ここに来て日本の株価が最高値を更新するなど急上昇していることもあり、追加利上げが9月に前倒しになる可能性もあります。利上げのタイミングは、米ドル安・円高の行方を考えるうえでも大きなカギとなりそうです。



