8月12日~18日の「FX投資戦略」ポイント
<ポイント>
・「雇用統計ショック」で約3円も米ドル急落となった動きは、先週は一服。
・早期利下げ再開を織り込み急低下した米金利が、小反発に転じたことが影響した可能性。「雇用統計ショック」で急落した米国株が、早々に反発に転じた影響もありそう。
・今週は注目度の高い米経済指標発表が目白押しで、早期利下げ再開との見方への影響に注目。また株価の動向にも注目。今週の米ドル/円予想レンジは「145~150円」。
「雇用統計ショック」の米ドル急落が一服した先週
先週の米ドル/円は、147円台中心の一進一退に終始しました。前週末の米雇用統計発表をきっかけに約3円もの急落となった流れを引き継ぎ、146円台まで続落する場面もありましたが、さらなる下落にはいたりませんでした(図表1参照)。
米雇用統計発表をきっかけとした米ドル/円の急落は「雇用統計ショック」と呼ばれましたが、この雇用統計ショックで急縮小した日米の金利差(米ドル優位・円劣位)が先週はわずかながら拡大したために、相場が一服したと考えられます。
実際、雇用統計ショックで日米2年債の利回りの差は一気に2.9%を割れるまで縮小しましたが、先週末には3%近くまで拡大しました(図表2参照)。
このように日米の金利差が小幅ながら拡大したのは、雇用統計ショックで大幅に低下した米金利が、その反動により小反発となった可能性があります。
早期利下げ再開織り込む…米金利下げ渋りの背景
米金融政策を反映する「米2年債利回り」は、雇用統計の発表前は3.95%程度で推移していたものの、発表後は一気に3.7%まで低下しました。これにより、米国の政策金利であるFFレートの誘導目標上限4.5%を0.8%も下回るところとなりました(図表3参照)。
ちなみに、2019年8月にも、利下げ開始前に米2年債利回りがFFレート誘導目標上限を最大で0.8%程度下回っています。今回の雇用統計ショックは、これと同程度にFFレートと米2年債利回りのスプレッドが拡大したということ。これは、次回9月FOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ再開をたった1日で織り込んだことを示しています。
したがって、先週はこうした雇用統計ショックでの急激な動きが一服し、少し反動が入ったのではないでしょうか。



