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なぜ、仕事は「最速」でなければならないのか?
基礎技術を身につけ、最短最速で仕事の現場に出たあとは、プログラマーとして仕事を実践していく段階に移ります。これまで学んだ知識とスキルを、実際の仕事のなかでどのように活かしていくのか。その鍵となるのが、3つの要素(基礎技術、スピード、教わる力)のうちの「スピード」です。
プログラマーには、単に正確なコードを書くだけでなく、迅速に仕事をこなす能力が欠かせません。スピードを追求する、つまり最速を目指すことは、プログラミングの学習段階だけでなく、日々の仕事においても重要です。私の研修では「最速」を合言葉にしています。新しい技術を学ぶときも、与えられたタスクをこなすときも、常に「最速でおこなう」という意識をもつよう指導しています。この章で紹介する技術を身につけ最速の感覚を養えば、実務で活躍できるプログラマーへの道をさらにもう一歩進めるようになります。
「最速」がもたらす圧倒的なメリット
最速で仕事をすることは、メリットしかありません。まず、生産性が向上し、時間を有効活用できるようになります。迅速に作業を終えることができれば、予期せぬ事態への対応力も高まります。思いがけないバグや仕様変更が発生しても、余裕をもって対処できるようになります。
例えば、1日の勤務時間が8時間として、その日の仕事として5時間で終わるような作業を割り振られたとします。スピードを意識し集中して5時間で終わらせられた人は、残りの3時間を新しいスキルの習得や、次の仕事の準備にあてられます。もし不測の事態が起こったとしても、それに対処する時間として3時間も使えます。
一方「8時間もある」とのんびり作業した場合はどうなるか考えてみます。8時間で仕事を終わらせる配分で作業していたところ、7時間経過した時点で思いがけない事態(バグなど)が発生し、修正に3時間かかるとしたら、2時間残業しなければならなくなります。
また、スピーディに仕事を終えられれば、自分の時間も確保できます。ワークライフバランスを保ちながら、自己研鑽や趣味の時間をつくれるのです。
効率の追求が、思考のスピードを上げる
最速を目指す大きなポイントの一つは、効率を追求することであり、効率よく仕事を進められるかにこだわる必要があります。常に「どうすれば、最も無駄なく作業できるか」「もっと良いやり方はないか」と改善できることを考え続け、妥協せず常に最速を目指すことで、何から何まで無駄なく効率化されていきます。この繰り返しが、仕事のスピードを上げていきます。
効率にこだわり続けると、思考のスピードも自然と上がっていきます。例えば、Excelでの表の作り方や、キーボード操作でのカーソルの動かし方ひとつとっても、妥協せず極限まで無駄を省き速さを追求すると、どんな作業においても、どんどん要領がよくなっていきます。コードを書く際に「この処理をどう実装すれば最も効率的になるか」と常に考えると、素早く最適解を見つけられるようになります。
ほかの人の作業やPC画面を見てじれったく思うようになれば、スピードが身についてきた証拠です。この状態は単に経験を積むだけでは到達できません。最速で仕事を終わらせることを目指す姿勢があってこそ、届く境地です。
スピードがキャリアを切り拓く
スピードと効率性を身につけると、割り当てられる仕事の質や量も大きく変わります。プロジェクト内での仕事の割り振りは、チームリーダーがおこなうため、リーダーに「こいつには仕事を任せられる」と思わせれば、振ってくる仕事が変わるのです。
未経験からプログラマーになると、最初のうちは雑用のような仕事も多いものです。しかしそこで腐っていてはいけません。簡単な仕事を素早く処理できる能力が認められれば、より難しくやりがいのある仕事を任されるようになります。より多くの案件や難しい仕事を任されるようになれば、経験値が蓄積されて成長も加速します。スピードへのこだわりは、効率化という面だけではなく、プログラマーのキャリア形成においても意味があるのです。
