CPI、PPI、小売売上高…今週は注目度の高い経済指標が目白押し
今週は、7月のCPI(消費者物価指数)、PPI(生産者物価指数)、小売売上高など注目度の高い米経済指標発表が立て続けに予定されています。
これまで述べてきたように、「雇用統計ショック」を受けて早期の米利下げ再開との見方が強まりましたが、これらの経済指標の結果を受け、この見方がどう変化するのかが最大の焦点です。
まず、CPIやPPIといったインフレ指標は、上昇率が先月より高まる見込みです。予想どおりとなった場合、インフレ再燃への懸念からFRB(米連邦準備制度理事会)が利下げ再開に慎重になり、「雇用統計ショック」で大きく低下した米金利が上昇する可能性があります。
一方、小売売上高やNY連銀製造業景気指数、鉱工業生産などの景気指標は、前回より悪化するとの予想が基本のようですから、こちらは予想どおりなら早期利下げ再開との見方をさらに強めることになるでしょう。
したがって、経済指標の結果しだいで、米金利は下がる・上がる両方の可能性があります。
最高値圏の米国株…「上がり過ぎ」は続くのか?
こうしたなか、もう1つのカギになりそうなのが株価の動向でしょう。
すでにみてきたように、米国の主要な株価指数は「雇用統計ショック」で急落したものの、先週は早速上昇に転じ、特にナスダック総合指数などは最高値を更新しました。基本的に景気の先行指標である株価が最高値圏で推移しているなかでの利下げ再開には違和感があります。
このような株価の動きから考えられるのは、景気の観点からはなお不必要な利下げ再開の可能性が高まっていることに対し、株価が過熱気味になっているのではないかということです(図表5参照)。
そうであるなら、今週の経済指標の結果とは別に、株価の“上がり過ぎ”が続くかどうかが、米金利を通じた米ドル/円への示唆としてもう1つの注目点といえそうです。
今週の米ドル/円予想レンジは「145~150円」
以上から、今週の米ドル/円の行方を考えるうえでは米国株高が続くかに注目します。株高が続くなら、先週同様に146円を割れるのは難しく、米ドル/円は「雇用統計ショック」からの反動を試す展開になりそうです。一方、株安が広がるようなら146円割れの可能性が出てくるでしょう。
以上を踏まえ、今週の米ドル/円は「145~150円」と予想します。
吉田 恒
マネックス証券
チーフ・FXコンサルタント兼マネックス・ユニバーシティFX学長
※本連載に記載された情報に関しては万全を期していますが、内容を保証するものではありません。また、本連載の内容は筆者の個人的な見解を示したものであり、筆者が所属する機関、組織、グループ等の意見を反映したものではありません。本連載の情報を利用した結果による損害、損失についても、筆者ならびに本連載制作関係者は一切の責任を負いません。投資の判断はご自身の責任でお願いいたします。
注目のセミナー情報
【海外不動産】12月18日(木)開催
【モンゴル不動産セミナー】
坪単価70万円は東南アジアの半額!!
世界屈指レアアース産出国の都心で600万円台から購入可能な新築マンション
【事業投資】12月20日(土)開催
東京・門前仲町、誰もが知る「超大手ホテルグループ」1階に出店!
飲食店の「プチオーナー」になる…初心者も参加可能な、飲食店経営ビジネスの新しいカタチとは?
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

