今、部下からの「逆パワハラ」に悩む上司が増えているといいます。会社の中で弱い立場であることをいいことに上司を悩ませる、いわゆる「モンスター社員(部下)」に対して、どのように対処していけばよいのでしょうか。本記事では、加藤京子氏による著書『部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったときに読む本 悩める上司への処方箋』(日本能率協会マネジメントセンター)より一部を抜粋・再編集して、部下からの逆パワハラに悩む上司におすすめの「3つの対処法」について、具体的に解説します。
部下への3つの対処法(a、b、c)とは?
a. 確認する
論点はたくさんありますが、まず「個性」を主張しているだけか、それとも指導を受け入れない言い訳にしているかを見極めましょう。「顧客から注意をされたこと」に着眼し、それによって周囲が被害を受けているか、弊害が出ているのであれば、そのあたりを起点として、話を進めていくのが賢明です。
お互いに共有すべき「拠り所」を探していきます。「自分らしさ(個性)」が「わがまま」に摺り替わって不適切な状況になるのは、「自分の表現や価値観を尊重すること」と「他者や周囲との調和(仕事の連携や業績確保を含めて)を保つこと」のバランスが崩れたときです。
いい換えると、令和時代のマネジメントの難しさは、
【個人行動(部下の個性を尊重する)】⇋【わがままな行動により会社に不利益が生じる】
この個性(左側:利点)を尊重しながらも、わがまま(右側:欠点)を抑制するという二重の役割を執行しなければいけない点にあります。多様性を尊重しつつ、「適切な限度」を設けることで、チームのパフォーマンスを最大限に引き出さなければなりません。
では、「適切な限度」とは、どうやって見定めればよいのでしょうか。まず「バランス」が崩れた姿を考えてみましょう[図表1]。
あなたは、部下の言動が、上下のいずれに該当するのかを見極め、下段の「崩れると」に該当するのであれば、行動変容させなければなりません。いま、どちらの状況なのか、まずこれを共有しましょう。
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H・Rサポート、株式会社クレドコラ(credocara)代表
青山学院大学文学部フランス文学科卒業。日商岩井株式会社(現双日株式会社)入社。
1998年 社会保険労務士資格取得
2000年 独立開業~現在H・Rサポート(港区西新橋にて社会保険労務士事務所経営)
2004年 研修講師として活動開始し、管理職選抜・昇格審査事業の一環として、部下育成の相談(面談)を受託。年間約100日(20年間)、約20,000人対応。現在、研修講師および人材アセスメントのチーフコンサルタントとして活動中。
著書に『Z世代に嫌われる上司嫌われない上司』(ぱる出版)がある。
H・Rサポート
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連載 部下からの逆パワハラで“もう無理”と思ったら…上司への「処方箋」