部下からの逆パワハラ、一体どうすれば…!?
【事例】そんなつもりでいったわけではないのに、あなたのせいで仕事に来なくなった部下がいます
ちょっとした誤解から、ひねくれてしまって、仕事をしなくなった部下がいます。最近では、集団と示し合わせて、指示を無視することが多くなりました。この問題、なんだか嫌な感じがします。これ以上大きくしたくないのですが、どうしたらよいか、あなたは憂鬱です。
企画部門のアシスタントHさんは、とても優秀です。快活なキャラクターも相まって、部内のムードメーカーとしての貢献は多大です。あなたは、とても頼りにしています。
ある日、悪気なく誉め言葉のつもりで、「Hさんがいると、自分の仕事がなくなってしまうね〜」と伝えたことがあります(Hさんが優秀だということの比喩的な表現のつもりでした)。
ところが、これを境に、Hさんは、指示した仕事を終えずに帰社したり、約束した期日を守らなくなったりし始めました。業務上の指示をすると、「私、忙しいので、別の人にお願いしてください」ということがあります。周囲のメンバーも意図的に、たらい回しして業務上の指示を拒否します。
この部門でのHさんの影響力、結構大きいようです。最近では、全体の仕事の遅れが目立つようになって、あなたが残業しなければいけなくなりました。
部下のタイプ
表面的には快活で優等生タイプですが、やや被害妄想的で、自分の立場や評価が低い、または自分の努力や貢献が正当に評価されていないと感じると、上司に対して逆転的な態度を取ることがあります。
上司(あなた)の気持ち
なんとかしたい、誤解を解きたい、そんなつもりじゃなかったのに……と焦りますが、とはいえ、それがきっかけで、仕事を放棄するなんて……「せめて、仕事はちゃんとやってほしい」です。
すれ違いポイント
●あなたは、「褒めた」
●部下は、「けなされた」
です。コミュニケーションの意図が、発信者の意図通り伝わっていないことは、よくある話です。一見褒め言葉のようで、本人の不安やプライドを刺激してしまったパターンです。厳しい指導が、ハラスメントであると誤解されることがありますが、冗談・励まし・親しみがハラスメントと誤解されることがあることも知っておくべきでしょう。
ここでは、適切な距離感を意識することでトラブルを回避していかなければなりません。加えて、それが発端で「集団行為」に発展しているというところも厄介です。
(部下の)言動の検証
たとえ、双方の行き違いがあったにせよ、意図的に仕事をしない、というのは、労働契約の原点に立ち返ると問題行動といえます。
会社側は、賃金を支払う対価として、社員に対して、指揮監督を行っていますので、賃金を得ているにもかかわらず、労務の提供を拒否する人を雇う必要はありません。合理的な理由なく、業務指示命令に従わないのは「服務規律違反」ともいえます。