部下からの逆パワハラ、一体どうすれば…!?
【事例】あなたのせいで、精神疾患になった、責任とってください、という部下がいます
心の病というと、やる気がなくなったり、ぼんやりしたりすることを想像しますが、攻撃的になるケースもあります。ちょっとした認識の違いから、責任追及する部下がいます。次から次へと、本当に……上司は大変です。
ある日、「上司(あなた)のハラスメントのせいで、メンタル疾患を発症しました。責任を取ってほしい」という手紙が届きました。
事案の経緯でいうと、1年ほど前から診療内科に通っているのは聞いていましたが、最近は調子が良いので、面談のうえ、少し責任のある仕事を任せてみようということになりました。
ところが行き詰ってしまい、ヒステリックな発言をすることが多くなりました。様子を聞いたところ、「キツイ仕事をしなければいけなくなった、おまえのせいだ」と、いきなり激高して出て行き、その後は無断欠勤が続きました。
どうやら、あなたの対応が「ハラスメントだった」と訴えているようです。大変な仕事を押し付けられることが再発に繋がった、とのことです。
「誠心誠意謝れ」、「損害賠償する」と言い続けています。
部下のタイプ
繊細なタイプです。気持ちに振り回されやすく、ストレスや不満が溜まりがちです。上司に指摘されたとき等は、プライドを傷つけられた、と過剰に反応し、批判的かつ攻撃的な言葉を使います。自意識が高く、自分を大切に思っている節もあります。
上司(あなた)の気持ち
仕事の内容はきちんと面談のうえで決めた、それに対して部下も同意していた、なのにどうしてそんなことになるんだろう、です。
すれ違いポイント
仕事の難易度と部下の能力のミスマッチかもしれません(または、部下が、そういうことにしているのかもしれません)。いずれにしても、キャパを超えていた……ということで怒っているのが部下。
しかし、その責任を一方的に会社に(上司に)ぶつけるのは、ちょっと違うような気がします、というのがあなた(上司の考え)です。
言動の検証
●あなたの発言
部下は、一方的に、あなたの仕事の割りふりの不適切さを「パワハラだ」を主張しているので、今一度、振り返ってみてください。
本当にあなたの指導が適切でないということを理由に精神疾患を患っていたら、原則として解雇できないので、注意が必要です。
●部下の言動
次のような違反があります。
1.服務規律違反
欠勤の理由を確認してください(本当に再発なのかどうかの確認が必要です)。医師の診断書が必要です。まず、会社と労働契約を結んでいる以上、不当な理由で労務を放棄するのは、服務規律違反です。部下が出社しない(出社できない)という正当な理由を、証明してもらう必要があります。休養が必要な場合は、就業規則に沿って休職しなければいけません。
2.労務提供義務違反
無断欠勤は、会社との契約違反です。ただし、すぐに処分を下すことはできません。
感情的な理由だけで、無断欠勤していたら、労務提供義務違反として、出勤を促すことができます。しかし、病気等であれば、配慮が必要です。
どうすればよいでしょう。