領収書にウソの人数を書いたら税務調査でバレる?
領収書にウソの人数を書き、1人あたり1万円を超える飲食費を1万円以下に見せかける行為をした場合、税務調査で不正がバレることになるでしょう。
まず、税務署では、申告書の内容をチェックし、なんらかの不正やミスをしているという疑いを抱く納税者を、税務調査の対象として選ぶ傾向にあります。なぜなら、正しく申告をしている納税者に対して調査をしても、不正を正すことはできないからです。
提出された申告書の内容を見た場合、接待交際費の額は少ないものの、同業や同程度の規模の他者と比べ、会議費の額が大きすぎる場合などは、不正を疑われる可能性があります。
税務調査が実施される際には、領収書まですべてチェックされると考えておいたほうがよいでしょう。もし、領収書に記載されている人数が疑われる場合、どのような目的で開催された食事会だったのか、参加した人数だけでなく、参加者の名前まで確認される可能性があります。
参加者の名前や食事会の開催目的などについて、スムーズに答えられない場合、不正をしているのではと捉えられる可能性が高くなります。その場合には、領収書に記載されているお店や参加したと主張する人が所属する取引先などに、調査が及ぶ可能性もあるのです。
飲食費の領収書にウソの人数を書いた場合は、かなりの確率でバレると考えておいたほうがよいでしょう。
ウソがバレるとどうなる?
領収書にウソの人数を記載して、接待交際費として計上すべき額を会議費として計上していた場合、不正に納税額を低く見せかける行為となります。その場合、次のようなペナルティを課せられる可能性があります。
修正申告を求められる
税務調査によって、領収書にウソの人数を記載したことがバレると、指摘事項を修正し、正しく申告をし直すよう求められます。この申告内容を修正する行為を修正申告といいます。
繰り返しになりますが、法人の場合は接待交際費として計上できる額には上限があります。そのため、申告修正を行い、本来は接待交際費として計上しなければならない費用を会議費として計上すると、会議費として不正に計上していた分が減り、納税額が不足する場合があります。
資本金が1億円を超え100億円以下の場合、接待交際費として計上できる額の上限は、接待飲食費の50%です。
資本金2億円の企業が、領収書にウソの人数を記載するなどして、接待交際費として計上すべき2,000万円を会議費として計上していたと仮定します。この場合、修正申告を行うと、接待交際費のうち、経費として計上できる額は1,000万円となります。
そのため、課税所得額が1,000万円増加します。課税対象となる所得額が増加すれば、当然、課せられる税金も増えるため、納税額が不足する事態になるのです。
過少申告加算税が課せられる
申告内容に誤りがあり、納税額が不足していた場合、ペナルティとして過少申告加算税が課せられます。
過少申告加算税の税率は原則、不足分の税金に対し、50万円以下の部分については10%、50%を超える部分については15%です。したがって、税務調査時に不正や誤りを指摘され、修正申告を行うと、不足分の税金に加え、ペナルティ分の税金の納税も求められ、本来よりも多い税金の支払いが必要となります。
