「オムツはずれの時期に差」「できないことが多い」早生まれの子をもつ親の不安…自己肯定感を育てるための「適切な声かけ」の中身【脳科学者が解説】

「オムツはずれの時期に差」「できないことが多い」早生まれの子をもつ親の不安…自己肯定感を育てるための「適切な声かけ」の中身【脳科学者が解説】
(※画像はイメージです/PIXTA)

小学校低学年くらいまでは、身体発達に大きな差があり、「足が速い」「運動が得意」な子が人気者になることもあります。早生まれの子をもつ親御さんも「体格・体力・スポーツで不利」と感じていることがアンケート結果から明らかになりました。では、子供の自己肯定感を育てるための声がけのコツはあるのでしょうか? 脳科学者で東北大教授の瀧靖之氏の著書『本当はすごい早生まれ』(飛鳥新社)より一部を抜粋・編集して解説します。

アンケートでわかった! 「早生まれだと自己肯定感が下がりやすい」理由

能力の向上に欠かせない自己肯定感ですが、なぜ早生まれ族の自己肯定感は低くなってしまうのでしょうか?

 

小学校の低学年くらいまでは特に、個人差があるとはいえ、身体発達には歴然とした差があります。小学校のある時期までは、「足が速い」「スポーツが得意」な子が人気だったりもします。運動ができる子は、クラスの代表になることも多く、結果的に評価される機会も多いものです。

 

人から評価されれば、自己肯定感は上がり成績も上がりますから、それが遅生まれの子のプラスのサイクルを回すことにつながっているかもしれません。

 

早生まれの子どもを育てる親に聞いてわかったこと

編集部で行った「早生まれ一斉アンケート」でも、体格や体力に対する不安が示されています。この調査は、国内で0~18歳の早生まれの子どもを育てている男女100人(養育者の性別:男57、女43)を対象に実施されました。

 

「子どもが早生まれであることによる影響を感じたことはありますか?」という質問には、「はい35人」「いいえ55人」「わからない10人」。3割を超える人が、早生まれの影響を実際に感じているという結果が出ました。

 

自由回答(35人)による主な影響の上位3つとそのコメントは、次のようなものでした(複数回答あり)。

 

・体格・体力・スポーツで不利発達 20人

・発育の差(保育面) 7人

・成長の差(学業面含む) 5人

 

「体が小さく、体力がない」

「周りと体格が違う」

「身長が低くて心配」

 

実際に子育てをしている親御さんにとっての困りごとは、圧倒的に「体格・体力・スポーツで不利」というところにありました。年齢が低いほど、ここは顕著に現れる部分だと思います。

 

幼稚園や保育園は、初めての集団生活ということもあり、他の子どもと比較して心配になってしまう様子も見られました。

 

「入園時、できないことが多かった」

「オムツはずれの時期に差がある」

「みんなについていけない」

 

園の生活で感じる不安が、ここに示されています。

 

学業面に関しては、それほど多くの言及はありませんでしたが、「教えてもらう立場になりやすい」というコメントがありました。

次ページ体が小さいうちは、人と比べない声かけを

※本連載は、瀧靖之氏の著書『本当はすごい早生まれ』(飛鳥新社)より一部を抜粋・再編集したものです。

本当はすごい早生まれ

本当はすごい早生まれ

瀧 靖之

飛鳥新社

16万人以上のMRIを見た脳科学者であり、 早生まれの子どもを育てる著者が、 「早生まれは不利」という常識を科学的に覆す! ・生まれながらに「変化に強い力」を持つ早生まれ族 ・いちばんのNGは、「親が勝手に悲観する…

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